前回、青鬼集落の古民家の謎を紹介したが、続いて実際に集落の内部を散策する様子を紹介しよう。

 

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散策路は決められたルートで

 

青鬼集落内は徒歩で立ち入ることができるが、上地図の青く塗られた道を歩く。家屋は南北に広がって建ち並び、棚田は東側に広がっているが、棚田のあぜ道などに立ち入ることは厳禁だ。集落の方々の生活を脅かさず、なおかつ伝統的な文化財保護の観点からもルールを守った散策を心がける。

それでは駐車場(map2②)を出発し、集落内に足を踏み入れてみよう。

 

map2

 

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青鬼神社に行くのを忘れる

役目を終えた除雪機。しばらくは小屋の中で眠りにつく

  

駐車場を出ると道具を格納する小屋や、石仏などが目に入る。

 

 

集落のあちこちで見かけた石仏

 

やがて、道は二手に分かれる(map2③)。

順路案内通りに右折して進んだのだが(下の写真・赤矢印)、ここで大きなミスをしてしまう。実は直進してすぐ左折すれば(下の写真・黄矢印)、青鬼神社にいくことができたのだが(map2④)完全に忘れてしまっていて、帰宅してから思い出すという体たらく。
なので、残念ながら青鬼神社の写真は1枚もない(面目ない)。

 

 

 

集落は北側に山、南側に沢という傾斜地にある。南に向かってゆるやかに坂をくだっていく。

 

正面方向が南

 

訪問したのは4月半ばを過ぎていたが、まだ雪囲いをされたままの家屋が目立つ。

 

 

玄関前や掃き出し窓に雪を防ぐ木の板が渡してある。取り外しできるように、受け金具に上からはめる方式だ

 

 

下り坂を左折して、内部見学が可能な「お善鬼の館」に向かおう。

  

 

左手に見える家屋が「お善鬼の館」

 

 

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お善鬼の館でタイムスリップ

 

 

お善鬼の館と呼ばれる建物は、もともとは降籏家の住宅として1908年(明治41年)に建てられたものだ(map2⑤)。近年、空き家になった後、観光向けの館として内部を見学できるようになっている。

訪問時は屋内にも周囲にも誰もおらず、そのまま玄関の扉を開けて中に入る。 

 

 

目が慣れないと、中は薄暗い

 

引き戸を開けて中に入ると、4畳半ほどの土間がある。土間の向こう側には様々な道具が並べられたコーナーがあった。居住者がいる昔からこういう使い方なのか、観光客向けの展示なのか、そのあたりはよくわからない。

 

 

右の壁に立てかけてあるのは雪ぞりの一部だろうか

 

 

広い板の間には囲炉裏がある。ここから出る煙は屋根裏に抜けて外にでていくように工夫されているとのこと。

 

 

 

 

青鬼集落では、古代米の紫米も栽培されていて、白馬村の特産品になっている。

 

 

無人野菜販売所のように、商品の横に料金箱が置かれていた

 

 

私の祖父母の家は糸魚川(新潟県)なので、青鬼集落の家屋とは造りが違うが、それでもこうした古い作りの家屋を目にすると、祖父母の家にあった墨色の太い梁から吊るされた、縄と木板でできたブランコに乗って遊んだ懐かしい記憶が甦る。

 

 

板の間の奥から、入口の土間方向を撮影

 

 

散策は続く

お善鬼の館から西方向を撮影

 

 

お善鬼の館をでてほんの少し東に進むと、北方向に通じる小路がある(map2⑥)。左手には「ガッタリ」と呼ばれる米つき装置がある。沢の水を引き込んで杵を持ち上げ下にある穀物をつく仕組みのもので、現在は復刻されたものが小さな水路の横に設置されている。

 

 

この時期は、ガッタリには青いビニールシートがかけられていた

 

 

伝統的な景観を守るためだろう、通常は赤いホース格納箱や消火栓がチョコレート色に塗装されていた。消火栓は3段組みで高さは2mはあっただろうか。これほど背が高いのは雪に埋もれてもすぐ場所がわかるようにという、豪雪地帯の証でもある。

 

 

 

  

その一方、パラボラアンテナが伝統的家屋の壁に取り付けられているのをみると、少しずつ時代の変化にあわせて変わっていくのもまた自然なことなのだろうなと思う。

 

 

右手に建つ古民家の壁に白いパラボラアンテナが取り付けられている

 

青鬼集落には、14棟の家屋のほかに、切妻屋根の小屋が7~8棟点在している。

 

 

 

 

集落の規模の割に、防火水槽や消火栓の数が多い印象。火事には相当気を付けていたということだろうか。

 

 

山桜?が2分咲きぐらい。本格的な春の訪れは近い

 

 

やっと春の足音が聞こえてきたという風情の青鬼集落だが、足元に咲く黄水仙は鮮やかな黄色い花をつけ、春を呼び込むラッパのように、そよそよと風に揺れていた。

 

 

 

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