ブエノスアイレスの「プエンテ運搬橋」 Puente Transbordador

 

 

 

 

船舶の運航を妨げないよう工夫して建設された橋がある。日本で最も有名な橋の一つは、佐賀県にある筑後川昇開橋だろう。橋の中央にある橋桁が上下に動くことで、船舶の通行が可能になる。

 

 

かつては、国鉄佐賀線の鉄道橋だった筑後川昇開橋(旧筑後川橋梁)
Rsa, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

 

昇開橋も現存するものは少ないのだが、それより以前からあった「運搬橋」と呼ばれる形式の橋がある。現在、建設当時の面影を残しているものは世界でも数えるほどだ。

 

冒頭の写真は、アルゼンチン・ブエノスアイレスにあるプエンテ運搬橋。1908年から6年かけて建造され、1960年までは現役だった。その後、なんとか解体の危機を免れ、再び2017年から「in use」となり観光名所ともなっている。

 

 

目次

運搬橋とは

そもそも、運搬橋とはなんだろうか。

運搬橋の目的と構造が、簡潔にアニメーション化されているので、まずはこちらをご覧いただきたい。 

 

Y_tambe, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

船舶航行の邪魔にならないように川に橋を架けようとすると、人や車両が通行できる橋桁の位置は高くなる。その結果、橋桁へのアプローチが長くなったり急勾配となってしまう。特に馬車による通行が主流だった時代は、そう簡単な話ではなかった。

このため考え出されたのが運搬橋である。

上のアニメーションでもわかるように、吊り下げたゴンドラに人や車両をのせて運んでしまえという仕掛けだ。

 

 

ゴンドラに乗り込む乗客たち

下の3枚は、プエンテ運搬橋のゴンドラに乗車するために集まる人と、実際に移動中のゴンドラを映した貴重な写真である。特に3枚目は、車数台に馬車まで乗っており、人はその隙間を埋めるようにすし詰めである。(していただろうけど)重量制限とかちゃんとカウントしているのか心配になる。

 

1936年(昭和11年) ゴンドラに乗るために集まってきた人々
Horacio Coppola, Public domain, via Wikimedia Commons

  

1951年(昭和26年)ゴンドラ移動中
Unknown author, Public domain, via Wikimedia Commons

 

1932年(昭和7年)ゴンドラで移動する乗客と車両
General Archive of the Nation, Public domain, via Wikimedia Commons

 

 

 

このゴンドラが実際に動く場面をみてみたい!と思ったあなた。当時の記録映像が残っているので、下の動画をご覧いただきたい。

スペイン語なので何を言ってるかさっぱりわからないが、この橋の説明動画なので内容はなんとなくわかる。
特に5分18秒あたりからは、必見だ。橋の近くで積み込む荷物を準備したり、ゆらーりゆらりとゴンドラが移動するシーンが映っている。

7分50秒過ぎからは、おそらく近年になってからの補修作業だろうか、関係者の方々が作業する様子が記録されている。アルゼンチンタンゴのBGM付きだ。

 

 

 

 

 

下の写真は、イギリスから運び込んだ資材を現地で組み立てている様子を撮影したもの。 
こういう写真って、歴史的記録として本当に貴重だと思う。

 

1913年(大正2年)建設中のプエンテ運搬橋
Unknown authorUnknown author, Public domain, via Wikimedia Commons

プエンテ運搬橋のいま

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