「対向車が来たら一巻の終わり」みたいなところをクリアしてたどり着いた高根島灯台

 

ナギヒコさんから寄稿していただいた記事です

 

到達:2023年11月
難易度:■■■□(中級)

 

「灯台まで歩いて5分」という場所までクルマで行けなくはないのだが、その場合は“難易度:中級”というのが、高根島灯台(こうねしまとうだい、広島県尾道市)だ。ちなみに、途中から歩いていくなら難易度は下がって“初級”だろう。

 高根島(こうねしま)は、生口島(いくちじま)と橋でつながっている。なので、尾道(本州)や今治(四国)からしまなみ海道を経由すれば、高根島までクルマで行くことができる。だが、最後に難関が待っている。

 

 次の地図で右上端が尾道。そこから下に向かう緑の線がしまなみ海道で、下中央に半分見えているのが生口島だ。ほかに矢印のある灯台は、別の記事で紹介する(記事末にリンク)。

(国土地理院)

 

 高根島に渡って、島を一周する県道370号を反時計回りに走り、比較的新しいトンネル(内の浦トンネル)を過ぎると、高根島灯台に向かう分かれ道がある。「高根島灯台 1km▶」という、これまた新しそうな案内板もある。

 道はすぐにこんなに狭くなる。折れた枝が道をふさいでいたので、仕方なくクルマを降りて片付けた。

 これはいい情報だ。「少なくともきょうは、この先にクルマが行っている可能性が少ない」ということだから。事前に調べたところ、対向車とすれ違うのが難しい箇所がいっぱいあるようなので、少しだけ気がラクになる。

 

 おそらく今回最大の難関と思われる場所に来た。左右がコンクリートで固められた入り江で、現在海水の満ちていない底までは2mぐらいだろうか。対向車が来た場合にここをバックするのはちょっと怖すぎる。

 100mぐらいの直線部分をソロソロと走り、なんとか無事通過。

 振り返って、通ってきたところを見るとこんな感じ。

 曲がり角の少し先にはすれ違える空間がある。

 このあと200mぐらいはずっとこんな道幅だ。1、2カ所、対向車とすれちがえそうなところはある。

 そして、クルマを止められる場所に到着。左右にはまだ道が続いているが、灯台に行くならここで降りる。「Welcome」という案内板は、灯台目当ての人向けだろうか。

 今回、日産NOTEで走った感じでは、車幅1700mm以下の「5ナンバー」ならここまで来られるだろう。それよりクルマが大きい、対向車とすれ違うのは絶対に避けたい、十分時間に余裕がある、というような場合は、手前のビニールハウスがあるあたりに止めて、500mぐらい歩く方が無難だろう。

(国土地理院)

 

 ここからは山道になる。大きな案内板、竹でできた手づくりの杖、消毒液など、至れり尽くせりの歓迎ぶりだ。

 道はきちんと整備されていて、歩きやすい。

 途中で視界が開ける。さっき通った直線道路の向かい側にあった造船工場がだいぶ下(写真左端)に見える。

 斜面はみかん畑だ。収穫したみかんを運ぶモノレール(モノラック)もある。写真は通りすぎて振り返ったところ。モノレールは木の陰で写真ではよく見えない。

 そして、切り開いた竹やぶを通りすぎる。

 

 ちょっと開けた、広場のような場所に出た。足元にはコンクリートの構造物跡のようなものがあり、なにか建物があったのかもしれない。

 振り返って、歩いてきた道を振り返る。柵の柱は割と古そうだ。古ぼけた簡易トイレもある。近年、何かに使われていた気配はするのだが…。

 正面が3mぐらい高くなっている。右の階段は通りにくそうなので、左の石垣部分から回り込む。するともう一回、広場があって、正面にはさらに小さな高台。3段階の平地という謎の地形はなんのためなんだろう?

 高台の階段は木の枝にじゃまされて上りにくそうなので、ひとまず左側から回ってみる。

 

 すると突然、高根島灯台が現れた!

 背が低いな。それと、灯籠の屋根(ドーム)がなくなっている。光源をLEDにしたときに「いらないな」ということになったのか。

 一応、木の枝をよけながら階段を上って一番高い場所からも見た。左にある四角いコンクリートの建物も、あとから作られたんだろう。灯塔(というほど高くないが)と外壁との間に、目一杯の大きさのものを建てた、という感じだ。

 外壁の周りは笹や雑草が生えているが、歩けないほどではないので、右から海側に回り込んでみる。

 海側が“正面”だったようだ。海上保安庁の青い案内板や、外壁に付けられた銘板(門の右側)などがこっちにある。

 高根島灯台の初点灯は1894(明治27)年5月。小佐木島灯台のところで書いたように、大久野島の南側、そして高根島、小佐木島、因島(大浜埼)の北側を通るルートに一気に灯台が作られた年だ。

 その理由については、大浜埼灯台の記事で説明している(記事末にリンク)。

 

 海側の眺めはなかなかいい。対岸は三原の南側で、海岸のそばを2両編成の電車(JR呉線)が走っている(写真中央のやや右寄り)。自然豊かな風景ではあるが、人々の生活も感じられる。

 高根島灯台は、灯台自体の形や、周囲の土地のようすが当初とは違っているようだ。130年前にこの場所がどうだったのか、想像をめぐらして、ときの流れに身を浸すのはちょっと難しい気がした。

 三原近辺のほかの灯台記事はこちら。

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