八ツ森駅に行っておけばよかったな 秘境駅あるあるな話
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2020年の11月、仙台と山形を結ぶJR仙山線で旅をした。あまり予定を立てずにぶらりと行く旅が楽しいことは十分わかってはいるが、訪問地が秘境駅の場合、そうも言っていられないことがある。今回は仕事なので、事前に入念な計画を立てた。

 

仙山線鉄道遺構群をめぐる計画

仙台駅に到着するのは、午前7時58分。そこからどう動くかだ。

最大の目的地は、奥新川(おくにっかわ)駅からすぐの旧奥新川直流変電所跡である。あとは、山寺駅の転車台跡、面白山高原駅の仙山トンネル、旧八ツ森駅など、時間が許す限り回りたい。(第二広瀬川橋梁などほかにも仙山線の鉄道遺構群はあるが、1日ですべて回ることは難しい)

普通に考えれば、下り列車で仙台から山寺まで一気に行って、そこから途中下車しながら仙台方向へ戻ってくるか、または少しずつ山寺方向へ近づいていくかということになる。

しかしどちらの方法でも運行本数が少なすぎて、思うように予定が組めない。秘境駅あるあるなのだが、奥新川駅と面白山高原駅に停まらない列車があるのがネックなのだ。

 
 
こういう運行本数の少ない路線で役に立つのが時刻表だ。
 

どっちかというとJTBよりJR派

 

普段は乗換案内サイトを利用しているが、細かな予定を組むにあたって時刻表は大きな助けとなる。
そして時刻表をにらみながら以下の行程表を作った。
 

 

オレンジは下り列車、緑は上り列車 途中駅は省略

なんだかふざけているような行程表だが、下り・上りを行ったり来たり乗り継ぐと、それぞれの駅で最低限必要な時間を確保しつつ、訪問する予定が組めた。

とはいえ、最後まで行程に組み込むか迷った場所があった。八ツ森駅である。

 

 

 

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廃止となった八ツ森駅

八ツ森駅は2014年に廃止となった

 

仙山線が全線開通した1937年(昭和12年)、八ツ森仮乗降場が開業した。その後、「駅」に昇格した八ツ森駅は、近隣のスキー客などに利用されていたが、それも年々減少。2002年(平成14年)を最後に、すべての列車が通過するようになった。

そして12年後の2014年(平成26年)、廃駅となることが正式に決定。

列車が停車しなくなってから20年近く経ち、人のすまない家が朽ちていくように、駅もまた同様に加速して荒れ果てていく。もともと簡素な駅で、駅そのものが荒廃していくのはもちろんだが、そこに至る道も険しくなっていくのは自明だった。

出来るだけ早く行かなくては・・と思う一方、そう簡単な話でもない。なにしろ秘境駅なんだから。

 

 

 

八ツ森駅があるのはこんな場所

八ツ森(バス)と書かれたすぐ北に八ツ森駅がある  Google Mapより

 

八ツ森は作並と奥新川の間に位置している。仙山線と新川川(「にっかわかわ」単に「にっかわ」とも)が交差するすぐ西に駅がある。

作並からは直線距離で約2kmである。これなら簡単に歩けそうだが、そううまくはいかない。

Google先生に道案内をしてもらうと、次のようなルートが表示された。

 

ルートは大きく東に迂回する。ざっと5kmの回り道だ  Google Mapより

 

 

なぜこんな回り道のルートになるのかは、下の地形図をみれば納得だ。山があるんだから、仕方ない。
いや、納得はするが、往復2時間+αは時間がかかりすぎる。歩くのはかまわないが、今回はそんな時間は捻出できない。さて、どうしたものか。
 

Google 航空写真より

 
 

幸運なことに駅の近くに「八ツ森」というバス停があることがわかる。数年前のものだが、実際にその付近から駅まで歩いた方の体験談も拝見した。熊に注意という標識はあるようだが、なんとか駅に近づけそうな感じである。こればかりは、行ってみないとわからないが。
 

Google Mapより

 

 

八ツ森に向かうバスは作並から乗ることができる。だが、調べてみるとこの路線、なんと1日2本しか運行されていない(2020年秋の時点)。朝に1本、お昼過ぎに1本という絶望的なダイヤだ。

ところがである。その昼過ぎに発車する1本が、絶妙なタイミングだったのだ。

もう一度最初の計画表をみていただきたい。

 

作並駅に到着するのが13時38分。1日2本しかバスがないのに、その最終バスが8分後の13時46分に出るという奇跡の乗り継ぎが実現するのである。

これならば行きはバスでだいぶ時短でき、帰りは徒歩になったとしても、ぎりぎり作並発の16時36分の列車に乗れそうな感じである。仙台からは新幹線がばんばんでているわけだから、もう少し遅いパターンもないわけじゃないが、朝は始発ででたとしても帰りはできるだけ早く帰りたいという家庭の事情もある。

 

 

しかし、結局私は八ツ森にはいかなかった。

 

超絶いい感じの行程表をたどれたとして、仙台に着くのは17時13分。奥新川から作並で途中下車せずにそのまま仙台にいけば3時間も早くつける。午後は体力がおちてテンションが下がるし、3時間も早く家に帰れるしで、結局「楽」を選んでしまったのだ。
そのとき書き込みをした下の行程表が、当時の私の気分をよく表している(上で載せた行程表は今回記事を書くにあたり作り直したものだ)。

 
 

 

 

 

いつかまた行こう。

でも、「someday never comes」、手痛いしっぺ返しはすぐにやってきた。

旅をした翌月に八ツ森へのバス路線が2021年3月末で廃止になることが発表された。
八ツ森線など廃止へ 仙台市バス 、来年度2.7%減便」(河北新報)

しかも、そのニュースを知ったのが、つい最近という、どうしようもないダメダメ感。

ちなみに、地域住民のために予約制のデマンド型タクシーで代替するという話もまだ試験段階で、地元からの不満も出ているようだ。
早すぎる廃止決定に不信感も 仙台市バス「八ツ森線」」(河北新報)

 

 

下の写真は2005年に撮影されたものなので、今はもっとずっと荒廃していると思われるが、まだ現役感が出ていた頃の八ツ森駅のホームである。

個人的にはホームが見たかったというよりも、ホームのすぐ先(仙台側)にある、鉄橋が見たかった。仙山線にはトレッスルという高さのある四角錐台の橋脚を持つ橋が3つある。八ツ森駅のすぐ東には、そのトレッスル橋の1つ、赤い新川川橋梁がある。この橋がね、いいんですよねぇ(写真でしかみたことがないけど)。

 

 

仙台よりのホームの先に鉄橋があり、レールが2重になっている。
☆クリックで拡大 2005年10月20日撮影 Kinori, Public domain, via Wikimedia Commons

 

 

【教訓】

年年歳歳花相似たり、歳歳年年列車・バス・鉄道遺構同じからず

 

 

でもまあ、無理をせず、できる範囲でコツコツと。今後も探検ウォークを続けていきたい。

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