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JR五能線は、青森県南津軽郡田舎館(いなかだて)村の川部駅と秋田県能代市の東能代(ひがしのしろ)駅をつなぐ路線である。日本海の絶景を車窓から眺められるルートで近年人気が高い。中でも青森県西津軽郡の深浦町には、北は千畳敷海岸から南は白神山地まで、全国でも知られた人気の観光スポットが目白押しだ。
五能線の要所でもある深浦駅からすぐの場所に「深浦の大岩」と呼ばれる景勝地があるが、これが意外に知られていない。深浦の海岸線には奇岩が多く、その眺めも五能線のウリでもあるのだが、深浦の大岩はただ眺めるだけでなく、海岸沿いから大岩の内部への遊歩道があり、なんと大岩の頂上部まで登ることができるのだ。
深浦駅から国道101号を北へ
駅を出て目の前にある国道を北方向に進むと、ほどなく海岸線の向こうに大岩らしきものが見えてくる。上の画像では右端にファミリーマートの看板があり、そのすぐ左に赤いお社の神社、そしてさらに左に小さなアーチ状の橋があり、海の中に大岩へ続く道があることがわかる。
ちなみに、深浦より北を走行中の五能線から大岩を見た図が、下の画像だ。このあたりの海岸線には似たような大岩がごろごろしている。
目印となる神社が近づいてきた。
大岩までは海上の遊歩道でらくらく
赤い鳥居に向かって進む。鳥居の上には恵比須神社が見える。
あとは、目の前にある大岩を目指して、1m程の幅のコンクリートの歩道を道なりに進んでいく。
大岩の足元に作られた遊歩道を歩く。突き当り右手に大岩の内部をくり抜いた階段がある。
大岩の内部に潜入
大岩の内部をくり抜いた階段は、それほど長くない。下から見上げれば、出口がすぐに見える。昼間であれば足元が不安になることもない。岩を削った階段は狭いが、手すりがないので両手で壁を押さえながら歩くとちょうどよい。ここまでは、実に快適だった。そう、ここまでは。
短い階段を登りきると、目の前は断崖絶壁だった。とはいえ、崖まで2m以上あるのでそれほど怖くはない。
そろそろと前に進み、崖下を覗き込んでみる。
ここからさらに、大岩を上っていく。手すり付きの急こう配のコンクリートの階段と、岩山を削って作ったあぶなげな階段が無理やりつながっている。上りは何とかなるが、これは下りはかなり怖い、怖いぞ、生きて帰れるだろうか?などと思いながら、階段を一段一段上っていく。
階段を登りきると、岩山の上は足元全体が斜めに傾いだ展望台となっている。すでに帰り道のことで頭がいっぱいな私は、展望台の写真もとり忘れ、くるりと方向転換しそそくさと降りることにした。
深浦町のHPには「展望台からは、青森県の名峰で信仰の山として神聖視された岩木山や、世界自然遺産の白神山地などが一望出来ます。」とあったが、そんな余裕は1gもない。(*'▽')
予想通り、降りるのは大変だ。「山に行ったんですか?」と宿の人に言われるようなリュックを背負って、手には小さなバッグを持っているため、岩でできたぼこぼこの下り階段はバランスを取りにくい。こんなんじゃ山登りなんて絶対無理だな(行かないけど)と心の中で泣きながら下山する(大げさな)。
無事に下り終え、眼前の浅瀬を見てほっとする。
もう二度と上らないけど、普通の方ならここはとってもおススメな場所だ。
深浦駅では、次の列車の待ち合わせで2時間以上待ち時間があることもある。そのくらいあれば余裕で往復できると思う。
ぜひ、どうぞ!