ディープな大井川(5) ミステリートンネルと長島ダム

前回は、375mのミステリートンネルを抜けたところまでをお伝えした。
出てきたトンネルを振り返って写したのが上の写真。

トンネルの右側に「16」という数字がみえる。
そう、アプトいちしろ駅から見えた15番目のトンネルに続く、16番目のトンネルだ。
このミステリートンネルは、もともと「西井戸トンネル」と呼ばれていたようだ。

 
 
 
ここで、歩いてきた道を衛星写真の地図で確認しておこう。
 

  
上の写真の「1」が、今通ってきたトンネルだ。
距離は短いけど、ミステリートンネルはあと2つある。
(正確に言えばミステリーな仕掛けはないので、ただの旧線のトンネルだけど、ここではミステリートンネルと呼ぶ)

 
1つ目のトンネルと2つ目のトンネルの間は、「アプトいちしろキャンプ場」だ。

キャンプ場。対岸の上部には、現在の井川線の線路が見える

 

 
 
下の写真は、井川線の車窓から撮影したもの。
キャンプ場の全体像がよくわかる。

赤矢印に沿って、旧線の線路があったはずだが、現在は痕跡を確認できない

 

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2つ目のミステリートンネルへ

 
 
トンネル内部に入ってすぐ、1つ目のトンネルと同様に線路が確認できた。
先ほどみたものより、さびが進んでいるようにも見える。水気が多いせいかもしれない。
 

 
2つ目のトンネルは、1つ目より短い。
とはいえ、やはり懐中電灯は必須。
 
しばらく歩くと、出口が見えてくる。

出口すぐに上り階段が見える

 
 
トンネルをでてすぐ振り返ると、県道388号の橋梁が見えた。

 
 
そのまま、目の前の階段を上っていく。階段自体はゆるやかだが、息がきれる。
 

 
 
こちらは、やはり井川線の車窓から撮影したもの。
上で階段を上っている場所は、左肩上がりの赤い矢印だ。
そのまま、道を左方向に進み「飛沫橋(しぶきばし)」を渡る。

黄色い線は、旧線の線路が通っていたであろうルート

 
 

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旧線ルートから眺める長島ダム

赤丸で囲んだ、とんがり屋根の建物が長島ダム駅

 
 
階段を上りきると、道路に出る。
左手、大井川の対岸には、井川線の線路と長島ダム駅が見える。
アプトいちしろ駅と長島ダム駅の高低差は89m。
これまで若干上り気味の道を歩いてきたが、たいした高低差じゃない。
これから一気に数十mを上るのかと思うと、ちょっとふくらはぎが痛くなる(歩いてもいないのに)。

 
飛沫橋の手前まで来た。
おいそれと渡れないような、けっこう頑丈な柵が固定されている。
最初、通行止めか!!と焦ったが、頑丈な紐をほどけば入ることは可能。
ただし、橋の中に入ったら、ちゃんと元に戻しておかなければ。
 
ちなみに、正面の茶色い傾斜した芝のような場所に、ピンク色の芝桜がとてもきれいに咲きそろっている写真を見たことがある。鹿に芝桜を食べられないようするための、苦肉の柵ならぬ策ということだろうか。

鹿がこの橋を渡ってる姿を想像すると、ちょっとかわいい

 
 
飛沫橋を渡る。風が吹けば、プリズムのように飛沫が虹色に煌めく。
右手には堂々たる長島ダムの雄姿。

 
 
こちらは、井川線の車窓から撮影した、少し引いた写真。
飛沫橋を渡り切った奥に、3つ目のトンネルの入り口が見える。

赤丸で囲んだ場所が、3つ目のトンネル

 
こちらが、3つ目のトンネルの入り口。
旧線でいえば、千頭駅から数えて18番目のトンネルだ。
寄倉トンネルと呼ばれていたものだが、この上に長島ダムが作られたため、現在は1/3程度が残っているとのこと。

 
照明はついていないが、距離が短いので、ここは懐中電灯なしでもいける。

手前の部分の素掘り感が、なんとも

 
 
短いトンネルを出れば、そこはもう長島ダムの直下である。

 

すぐ真下から見上げるダムの迫力は半端ない

 
 
ここまでくると、この細くて神経質そうなダムの階段を上るしか道がない。
ええ、上りますとも。

 
 
ダムの延々続くつづら折りの階段を上って、ダムの最上部まで行ってもよかったのだが、踊り場のような場所から、さきほど見た茶色い芝の斜面方向に行ける道があったので、そちらのルートを歩く。
なんとなく、そっちのほうが上るのが楽そうに思えたんだけど、全然そんなこともなく 笑。

結局、途中で何度も立ち止まり、最後は吐きそうになりながら(情けない)、斜面の一番上までたどりつく。ここまでくれば、長島ダム駅はすぐ目の前だ。

と、ここで嬉しい出来事が。
アプトいちしろ駅で出会った海野さんが、私がたどりつくであろうことを想定して、上で待っていてくださった。
少しおしゃべりをして、お別れする。

こういう出会いが、旅の楽しさの一つなんだよね。

 


まだまだ続く 次はさらに旧線を追って奥大井湖上駅へ

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