麻婆豆腐を好きじゃない方も、いらっしゃるとは思いますが。
一口に麻婆豆腐といっても、豆腐は木綿か絹ごしか、味付けはシンプルか香辛料を利かせてか、バリエーションもいろいろ。
好きな料理家さんお二人のレシピが、けっこう対極だったので、連日作って食べ比べてみたのであります。
『おもてなし料理から和食の基本まで♪いちばん丁寧な和食レシピサイト』である「白ごはん.com」は、数多ある料理関連の中で、最も好きなサイトの一つです。
運営者の冨田ただすけさんがプロフィールで次のように話されていることに、まるっと同意。
でも体にしみ込むような食べ物(料理)は、もっと素朴なものだと感じています。あとからふと思い出す、記憶に残るような料理も、作り手の心のこもった普段のなんでもない料理だったりします。
料理研究家 冨田ただすけ 白ごはん.com プロフィールより
真面目にコツコツ作るレシピの料理が多いこのサイト、麻婆豆腐のレシピはその精神を踏襲しつつ、「最小限の材料で美味しく!」とうたわれています。あまり使わない調味料は使わず、多くの家庭であるものを使って麻婆の味を再現しているのが特徴です。
豆腐は木綿豆腐。下ゆでのひと手間があります。
実際作って食べてみると、もっと和風なテイストかと思ったのですが、普通に麻婆豆腐の味がします。にんにく・しょうがは使うにしても、醤油とみりんと味噌でこの味を出せるのはさすがだなぁ。
河村みち子さんも、とても好きな料理家の一人です。これまで色々な方のレシピを参考にしてきましたが、河村みち子さんのレシピというか、調味料を配合した味がとても口にあうのです。
河村さんのレシピ本「定番の味 たどりついた究極レシピ」(講談社刊)で、麻婆豆腐のページ冒頭に「ひと昔前、四川料理の学校でとびきりおいしい麻婆豆腐を習いました。その時、この味にするには花椒(ホワジャオ)をきかせること、仕上げに酢とねぎとごま油を入れるんだなと思いました。」とあります。
仕上げに少々の酢というのは思いつきもしませんが、確かに作ったものを食べてみると酢が大事な役割をしているような気がします。麻婆豆腐の場合、酢は酸味をつけるのではなく、味をすっきりさせるためのもの・・と書かれていましたが、こういう料理の勘所のようなところがプロだなぁと思うことしきりです。
詳しい手順は書けませんが、豆腐は絹ごし、ぶたひき肉、調味料はにんにく・しょうがのほか、豆板醤(とうばんじゃん)・豆鼓(とうち)・甜面醤(てんめんじゃん)・砂糖・醤油・酒・酢・花椒など。長ネギなど、みじん切りするものがたくさんあって、ちょっと大変です 笑。
「炒め物ではなく、あくまでも煮物」とこだわる河村みち子さんの麻婆豆腐、出来上がりは本格派でありつつも家庭的な味で、時間もそれなりにかかるけど、また作って食べたくなる味なのです。
ということで、2つの麻婆豆腐を作り・食べ比べてみました。両者、味だけでなく簡易さなど、甲乙つけがたいレシピでありました。
今日のごはんは、麻婆豆腐でいかがでしょう。