昇る朝日でオレンジ色に染まる佐木島灯台、頬が紅潮した子どものようだ

 

ナギヒコさんから寄稿していただいた記事です

 

到達:2023年11月
難易度:■□□□(入門)

 

 灯台が本来の仕事をするのは夜間なのだが、灯台クエストとしてはこれまで夜間に点灯している灯台を見に行ったことがなかった。

 そしてとうとう、そのチャンスがやってきた。夜明け前に三原港から出航する船で佐木島灯台(さぎしまとうだい、広島県三原市)に行くのだ。

 

 6時20分、因島発の船が到着した。この日の三原付近の日の出は6時49分なので、写真では空がだいぶ明るいが、実際は桟橋と船以外は暗くてほとんど見えない。

 出港して10分ぐらいで小佐木島が見えてくる。写真の左右中央に小さく光っているのが小佐木島灯台だ。

 

 佐木島と小佐木島との間は直接行き来できず、それぞれ三原港から向かう必要がある。島の位置関係を次の地図で示す。小佐木島灯台およびほかに矢印のある灯台は、別の記事で紹介する(記事末にリンク)。

(国土地理院)

 

 そしてすぐに佐木島灯台が見えてきた。

 灯台のある岬を回り込み、佐木島の鷺港(おなじ“さぎ”なのになぜか漢字が違う)に入るころには、灯台の姿が近くに見える。ただし、今後いくつかの写真が日中のように明るいのはカメラが補正したせいで、肉眼ではギリギリ見えるぐらいなのだが。

 

 船を降り、右に見える灯台に向けて歩き出す。

 5分も歩かないうちに、灯台へ向かう道の分岐にさしかかる。赤い看板が右を指している。

 その道に入るために、急角度に右に曲がったところ。右側に駐車場があるという案内があり、実際に1台止まっているのだが、そもそもこの灯台に島外からクルマで来る人なんているんだろうか。

 しばらくするとコンクリートの舗装は終わってしまう。

 そして竹林の間を進むと、佐木島灯台が見えてきた。

 

 佐木島灯台は「恋する灯台」に選定されているおかげで、高原のペンション(イメージが古いか)にあるようなラブラブなセットが置かれている。それはともかくとして、周囲の木が切られ、雑草も刈られているので、灯台も周囲の風景も見やすくなっている。探検気分の人は別として、普通に灯台を見に来た人にはありがたいことだ。

 佐木島灯台の初点灯は1955(昭和30)年で、当初の光源はランプとレンズだっただろうが、少なくとも現在は灯籠がなくLEDがむき出しになっている。この写真はちょうど点灯しているときに撮ったのだが、残念ながら近くで見ると点灯しているのかどうかはよくわからない。ところが、遠くからは光がよく見える、というのがLED光源の特徴だ。

 そういえば高根島灯台もそうだった。点灯の時間帯だったので気づいたが、この付近の防波堤灯台や灯標などもLEDが多いようだ。

 灯台というと、レンズが回転して光のビームがぐるっと周囲を照らす、というイメージだが、この海域ではそういうものは見かけなかったな。小さいし可動部分がないのでLEDの方が設備としては優れているのだが、“鑑賞する”という点からすると少しさみしさがある。

 

 灯台の前に置かれた木のベンチに座り、鷺港(写真右)や因島などを眺める。写真左の遠くに見えるのは、因島と生口島を結ぶ生口橋だと思う。

 まだ1日の活動が始まる前の、薄明の時刻(とはいえもうすぐ7時だが)。静かに海を眺めているのもいいものだ。

 島と島のちょうど間に位置するのは、ハカン島灯標らしい。肉眼ではよく見えなかったが、黄色と黒の縞模様という割と珍しい塗色だ。

 

 日が差してきた。

 朝日で少しオレンジ色に染まった灯台というのもいいものだ。動き回って頬が紅潮した子どものようだ。

 三原港へ戻る船に乗り、もう一度灯台を見る。灯台のある場所だけ竹と木がきれいに切られていて、舞台に立つ俳優のようだ。

 

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