岩崎ノ鼻灯台の真ん前までクルマで行けるのに歩いていく、それが“灯台クエスト”

 

ナギヒコさんから寄稿していただいた記事です

 

到達:2023年7月
難易度:■■□□(初級)

 まず富山湾の地図を見ていただこう。

  

(国土地理院)

 

 富山湾に面し、海岸線が比較的なめらかな富山県にも4つの灯台がある。半島や目立った岬がないということは、灯台まで行きやすいということだ。実際、この4つの灯台は、いずれも鉄道駅から歩いて行ける場所にある。

※ここで言う「灯台」は、岬の先端や高い陸地にある「沿岸灯台」を指す。このほかに、防波堤の先端に設置されている「防波堤灯台」がある。

 岩崎ノ鼻灯台(いわさきのはなとうだい、富山県高岡市)は、真ん前までクルマで行けるし、小さいながら駐車スペースもある。だが、今回はあえて鉄道駅(JR氷見線越中国分)から徒歩で行ってみることにした。

 

 

 ホームの先にちょっとだけ海が見える。ホームの反対側まで行ってみると、こんないい感じの景色が広がっていた。

 

 

 こちら側からも駅の外には出られる(乗車券入れが立っている)が、ひとまず正式(?)な出口から駅を出る。右に行くとすぐに国道415号がある。

 

 

 国道を渡り、向かいの道(写真の左方向)に入る。正面にある色あせた看板「展望喫茶 ヤスモト」がちょっと気になるな。

 

 

 道は右にカーブし、渡った国道と並行する感じで少しずつ上っていく。この日は気温がおそらく35度近く。灯台に歩いていくのに向かない日ではあった。

 

 

 そのあと道は、国道をまたぐ形で交差する。国道は灯台のある山をトンネル(写真右)で抜けていく。この場所で国道から上ることもできるな。

 

 

 トンネルに入る国道をまたぐ橋。クマもいればイノシシもいるらしい。うーん、やっかいだ。

 

 

 ここで、地図を見ておこう。中央の赤矢印が岩崎ノ鼻灯台だ。その右側は山が海岸線近くにまでせり出している。地図には表記がないのだが、ここが灯台の名前の元である「岩崎ノ鼻」なのではないかな。むかし、街道はここを越えていたということだ。

 

(国土地理院)

 

 その後、氷見線とそれに並行する自動車道を岩崎ノ鼻に通すときに、短いトンネルが作られた。氷見線の越中国分駅から次の雨晴(あまはらし)駅までは海岸線ギリギリを通っていて、なかなか景色がいい。さらに時が経って、現在の国道415号と長い「雨晴(あまはらし)トンネル」が作られたと思われる。

 ここは海に近い高台、ちょうど灯台を建てるのにいい場所だったということだ。

 と、灯台への案内がある場所まで来た。

 

 

 左後ろ方向の脇道に入る。

 

 

 脇道を上り始めると、わりとすぐに灯台の先端が木々の間から見えてきた! いい感じの見え方だ。

 

 

 ここを右に入ると…。

 

 

 岩崎ノ鼻灯台に到着。越中国分駅からは10分ぐらい。

 

 

 でも木の枝で全景が見えないじゃないか! 周辺の木は桜で、花の季節にはかなりきれいらしい。人も多そうだが。

 灯台の裏側に回るときれいな海(富山湾)が見えた。

 

 

 そして振り返ると、太陽を背にした灯台のりっぱな姿が。

 

 

 初点は1951(昭和26)年。灯台自体の形にはこれといった特徴はないな。一番の見どころは、大きく育った桜の木だろう。

 

 

 さて、そろそろ戻ろう。眼下には伏木港が広がる。その先、写真中央付近には新湊大橋らしきものが見える。

 

 

 さらにその先にはかすんでいるがわずかに立山連峰が見える。空気が澄んだ冬なら、冠雪した立山連峰がきれいに見えるのではないか。桜の花、雪の立山、…、さまざまな季節が楽しめる灯台と言えるだろう。

 峠道に戻った。せっかくなので、もう少し先まで行ってみよう。なんだかしゃれた建物があった。

 

 

 これが、国道の交差点で見た「展望喫茶 ヤスモト」だろう。たしかにここからの海の眺めはよさそうだ。休業日というよりは廃業したように見えるが、よくわからない。

 駐車場の横から北の方を見ると、能登半島が見えた。七尾あたりと能登町あたりだろうか。手前には、海岸線ギリギリに氷見線の線路がある。富山湾内はあまり海が荒れないから、こんなに海に近くてだいじょうぶなのかな。

 

 

 もう少し右はこんな感じ。

 

 

 近くには水面下の岩などがあり、遠くには浮標も見える。浅いところがあってけっこう船の航行がしにくい場所なのかもしれない。岩崎ノ鼻灯台は、そんな場所で船の航行を見守っている。

 

 

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