足尾銅山の通洞選鉱所

 
 
わたらせ渓谷鉄道、各駅を順に旅するの第9回。

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神戸(ごうど)駅から乗車したトロッコ列車、終点の間藤(まとう)駅まで残りはあと3つだ。澄んだ深緑の渡良瀬川の水の流れが目に入る。

渡良瀬川
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車窓から見る廃墟群 通洞選鉱所

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まもなく通洞駅というところで、進行方向左手に廃墟群が見えてくる。建物自体大きく崩れてはいないが、屋根や側壁があちこち破損し、今はもう使われていない工場であることがわかる。

 

奥の建物が通洞選鉱所。手前にある円筒状のものは「精鉱シックナー」と呼ばれる分離装置

 
 
廃墟群の右端にあるのが、通洞選鉱所だ。ここで銅山の坑内から掘り出した鉱物(粗鉱)を砕き、幾つかのプロセスを経て高品質な鉱物(精鉱)に仕上げられる。精鉱は、また別記事で紹介する本山(ほんざん)製錬所に運ばれ、純度の高い銅へと製錬された。

北日本新聞社の産業芳跡というシリーズで、通洞選鉱所の内部を撮影した写真が掲載されている。 叶わないことだけど、こういう写真を見ると実際に中をみてみたいなぁと思う。掲載サイトはコチラ
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足尾観光の拠点 通洞駅

大正時代に建てられた通洞駅の駅舎とプラットフォームも登録有形文化財だ

 
 
わたらせ鉄道の中で、通洞駅は数少ない有人駅である。(2020年3月時点 窓口営業時間9:45~15:40、冬期は火曜日のみ営業)
周辺には廃坑を見学できる足尾銅山観光や足尾歴史館などがあり、足尾観光の中核となる駅だ。また近隣の庚申山(こうしんざん)・皇海山(すかいさん)へのアプローチにもなるため、登山者カードを入れる箱も用意されている。

 
今回は残念ながら足尾観光は見送る。足尾銅山の遺構、基幹坑道である通洞坑には、別の機会にぜひ訪れたい。
 

列車はすぐに通洞駅を発車。ほどなく足尾駅に到着する。通洞と足尾の間は0.9kmしか離れていないので、あっという間である。 

落葉樹には新芽もなく、目にするのは常緑樹の緑のみ

 
足尾駅にしばらく停車する。足尾駅は列車交換が可能な駅なので、私が乗る下り線と桐生に向かう上り線の両列車が停車していた。

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足尾駅内には、駅舎やプラットフォームのほかにも幾つかの登録有形文化財がある。中でも、煉瓦造りの足尾駅危険品庫を見逃してしまったのが非常に残念だ。(写真はコチラ) 明治・大正期の建造物は、木造も素晴らしいのだけれど、個人的には煉瓦の建造物になんとも言えない魅力を感じる。

わたらせの春から一転 小雪ちらつく間藤駅

 
神戸駅を出発して40分。間藤駅に到着した。車窓を楽しみながら乗っていると、あっという間である。
下車した乗客はわずか3名。私以外は、駅周辺を散策した後、このまま折り返す電車に乗って桐生方向へ戻るようだった。

転車台がないので、そのまま折り返し運転をするトロッコわっしー号
車両止めがみえる。その先の線路はどうなっているだろうか

 
 
時刻は11時10分過ぎ。お昼には早い時間だが、この日は朝が早かったのでお腹もすいてきた。
食堂などないような場所へ行くことが多いので、いつもはリュックにおにぎりなど食料を詰めてくるのだが、この日は違った。ここ1年、なんだかんだと群馬に行くことが多く、JRの駅で販売されている舞茸弁当のすっかりファンになってしまっていた私。この日も桐生駅に向かう途中で舞茸弁当をゲット。間藤駅あたりで食べようと決めていた。

しかし、この日の天気予報、間藤近辺はまさかの雪。幸い、雪といっても降りつもるレベルではないが、到着した時点では鉛色の空から、ちらちらと小雪が舞っていた。

駅の広場には木製のテーブルやベンチがある。ここで食事をしたら気分がいいはずだが、なにしろ気温は4度。ピクニックには寒すぎる。

正式名称は上州舞茸弁当

 
何度も食べていて、黒っぽくて硬い何かが何だろうとずっと気になっていた。下の写真ではエビの天ぷらのしっぽの先にあるさつま揚げみたいなやつだ。今回あらためて調べてみて、それが 舞茸入り肉団子 だと知る(消去法だ)。肉団子という感じはしないけど、まあ美味しいからいいか。
普段は栗の甘露煮なんて好んで食べないんだけど、こういう旅の途中で弁当に入ってる甘露煮って美味しいんだよね。不思議なものである。

舞茸ご飯、栗甘露煮、鶏照り焼き、舞茸入り肉団子、舞茸佃煮風味、舞茸金平風味、エビの天ぷら、
舞茸天ぷら、ししとう素揚げ、赤こんにゃく、花豆煮、わさび風味野沢菜漬け
雪に備えてチベット仕様のいでたち

 
駅に隣接した待合室があったので、そちらに移動することにした。もちろん、誰もいない。ニホンカモシカ2頭がじっとみつめるなか、美味しく弁当をいただく。

 
食事をしていると、駅員さん(間藤は無人駅なので、先ほど乗ってきた列車の乗務員さん)がわざわざ「出発しますよ」と声をかけてくれた。親切な対応に感謝しつつ、次の列車に乗ることを告げてお礼をいう。

これから廃線を追う、メインイベントが待っているのである。

つづく

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