癒しオーラも放つ四角い灯台 チゴキ埼灯台へいらっしゃい 

 
 
 
 

全国に3000以上ある灯台の中で、駅から徒歩(30分程度)でいける範囲のものは、そう多くない。当たり前だが、灯台は岬の突端にあるものが多く、それなりの高い場所にある。近くまで車で行けたとしても、足元の悪い階段を息を切らせながら上る・・なんてことも少なくない。

そういう意味では秋田と青森の県境にある「チゴキ埼灯台」は、歩いても車でも非常に訪問しやすく、かつ世間的に名前を知られていないので訪問者も少なく、灯台と海を独り占めできるおススメのスポットである。

 

 

 

 

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最寄りはJR五能線岩館駅

秋田県の東能代と青森県の川部をつなぐJR五能線。岩館は青森との県境にある秋田の駅である

 

 

 

列車と徒歩で行く場合、最寄りはJR五能線の岩館(いわだて)駅だ。下の地図にある国道101号を歩いて行くのが一番近い。

岩館駅の南東約2kmには、大正15年に作られた第二小入川橋梁(地図では「小入川橋」)がある  Googleマップより

 

今回は、先に灯台とは駅をはさんで反対側にある第二小入川橋梁(だいにこいりかわきょうりょう)を訪問しており、風光明媚な海岸線を歩いて灯台に向かうことにした。

 

海岸線から北方向を眺めると、美しい岩礁のはるか向こうの水平線上に、うっすらと風車がみえる。50kmほど離れた男鹿(おが)半島の海岸線である。

 

写真ではわかりにくいが、画面中央から右手にかけてわずかに男鹿半島が見える ☆クリックで拡大

  

 

さらに歩いて行くと、海岸線に明らかに人為的に囲われた一画があった。

 

岩館海浜プール

 

 
 
近くにあった看板によると、岩館漁港海岸に作られた海浜プールのようだ。いいなぁこういう施設。

  
 

 

 

 

この岩館海浜プールから10分ほど歩くと、道が二手に分かれる。海岸ではない小山を上る方向の道をぜーぜー息を切らしながら進んでいくと、やがて左手に灯台が見えてくる。

 

 

チゴキ埼灯台

 

 

 

 

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県立自然公園内にあるチゴキ埼

黄丸が国道、青丸がJR五能線、緑矢印が今回歩いてきたルート    Googleマップ3Dより

 
 

秋田県の八峰町(はっぽうちょう)沿岸部は八森岩館県立自然公園となっており、溶岩・火山灰が固まってできたと言われているチゴキ埼もその中に位置している。

今回は海岸線から30mほどの標高まで上ってきたが(上の3Dマップ緑矢印)、通常であれば国道からアクセスすることが多いはずだ(上の3Dマップ赤矢印)。

ただ注意したいのは車で訪問する場合。私が訪問したのは2020年の9月末で、チゴキ埼灯台のすぐ近くに駐車場があった。実はこのあと、八峰町から「チゴキ灯台駐車場の閉鎖について」のアナウンスがあり、これまで駐車できたスペースが使えなくなっているので注意が必要だ。

 

灯台は南西方向を向いて立っているので、午後訪問だと思いっきり逆光になる

 
 

チゴキ埼灯台の周囲は広々としていて、遊歩道のような道が灯台の周りを一周している。

灯台そのものの高さは13mとそれほど大きくはない。灯火標高(海面からレンズ中央までの高さ)は47mだ。


 

チゴキ埼灯台詳細

 

 

灯台周囲の囲いにはチェーンがかかっており、これ以上中に入るのは遠慮した

 
 
  
灯台の入り口は2枚ドア。ドアの上部には、初めて点灯した日時を印す記念プレートの初点銘板があった。 

 

少し離れた距離から撮影したので、初点銘板がはっきり見えない。だいぶ摩滅しているように見えた  ☆クリックで拡大

 
 

こちらは、灯台右サイドからの全景。

 

南方向を望む

 
 

肉眼ではまぶしくてよくわからなかったが、写真を拡大補正してみると、わずかにレンズの一部が見えてテンションが上がる。

 

風雨が強くあたる場所は、さびや塗装の剥げが見られる  ☆クリックで拡大

 
 
 

 

灯台の左サイドに回ってみる。

下の写真を見るとよくわかるが、灯台の周囲には清々しいくらいなにもない。ただ、空と海と灯台があるのみだ。

 

超広角で撮影。灯台の周囲を遊歩道が一周している

 
 

 
同じように灯台の上部を拡大してみる。こちら側からのほうが、レンズがよく見える。

 

 
 
 

 

 

正面から灯台を見上げてみる。

機能美としての美しさはもちろんだが、光を放っていない日中であっても、どこか癒しのオーラを放っているかのような佇まいで、何もかも忘れてしばし魅入ってしまう。

  

 

 
 

 

 

灯台のたつチゴキ埼の「チゴキ」は、この一帯の地名「八森チコキ」に由来していると思われる。別記事でも書いたが、近隣の八峰町八森には「ノケソリ」という同じくカタカナの地名もあり、興味深い。

滞在したのは1時間弱だが、ずいぶん長い時間いたように思うから不思議だ。

名残り惜しくはあったが、列車の時間もあるためチゴキ灯台をあとにする。

  

灯台にもわずかながら秋の気配

 
 
 

 
 
 
 

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名物イカ焼きを食べないわけには

岩館駅近く国道沿いにある「番屋」さん。右端にある開いた窓から声をかける

 
 
 

岩館駅までは国道を歩いて戻ることにした。昼の時間はとっくにすぎており、お腹もすいた。

岩館駅の周辺にはもともと飲食店も少なく、営業しているかもわからない。念のため、岩館に移動する前におにぎりなどは用意していたが、事前に調べた名物のイカ焼きが販売されていれば食べてみたい。

運よく、番屋さんというお店が、お持ち帰りで営業をしていた。早速、イカ焼きを注文した。


お店のお母さんが、冷蔵庫から塩気のある半生の干しイカを取り出し、熱した網の上にのせる。おそろしくいい匂いがしてくる。

  

網にのせる前に、キッチンハサミで、ちょきちょきと身に切れ目をいれた

 
 

この地域は大雪は降らないが、とにかく風が強く冬場は道が凍り怖いとのこと。

お店のお母さんと距離をとりつつ世間話をしているうちに、いい具合にイカが焼けた。そのまま新聞紙の上にのせる。焼いたイカには、新聞紙がよく似合う。
 

地方の新聞紙のTV欄ってけっこうおもしろい


お礼をいって店をあとにして、駅に向かう。

駅の改札は海側にしかないので、国道から横道に入り踏切を渡る。

 

画面中央に見えるのが岩館踏切




岩館駅に到着。
 

大正15年開業の岩館駅。2010年(平成22年)に現在の駅舎にリニューアルされた

 
 

岩館駅の待合室

 
 

 

待合室には誰もいない。何脚か椅子があるので、ここでお昼を食べることにした。

まだ十分あたたかい、焼きイカの入ったパックを取り出す。かわいい折り紙に入った楊枝もついている。

いただきます。

 

半生のイカはやわらかく旨味がある。かなり塩気があるので、白飯なしで一人で食べるにはちょっと量が多い

 

 

 

岩館駅で列車を待つ

駅のホームにいた赤とんぼ ☆クリックで拡大

 
 
 

今回に限った話ではないのだが、私が行く場所は列車の本数が非常に少ないことが多い。本数が少ないと、列車の運行時刻に合わせて予定を組まなければいけないというシバリが発生する。

実は今回も第二小入川橋梁に行った後、すぐに駅に戻れば、一本前の列車に乗ることができた。その場合、3つ先(東能代方面)の八森駅で下車して訪問したい場所があった。

直前まで迷ったのだが、今回は八森の訪問先をあきらめてチゴキ灯台を訪問することにした。結果、行ってよかったなと思う。八森にはまた別の機会に行こう。

というわけで八森では途中下車せず、その一つ先の東八森まで列車でいく。そこに今晩の宿がある。

 

列車を待っていると、反対ホームにリゾートしらかみ5号が入線してきた。

 
 

青森行きのリゾートしらかみ5号。列車カラーは「青池」だ

 

 

ほどなく、私が乗る東能代行の普通列車がやってきた。

 

 
 
 
 
青森・秋田の旅は、まだまだ続く

 

 


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