JR花輪線・十和田南駅 スイッチバックの不思議

 

 

 

 

秋田県鹿角市にある古い発電所を見に行くために、昨年はじめてJR花輪線に乗車した。岩手県の好摩(こうま)と秋田県の大館(おおだて)を結ぶ100km超の路線だが、好摩の南にある盛岡まで、いわて銀河鉄道の区間を経由して通しで運行されている(地図A)。

 

地図A ピンク点線が花輪線  Googleマップより

  

 

花輪線沿線を地図上でチェックしていると、十和田南駅がスイッチバックであることに気付く。(スイッチバックとは急勾配を折り返し運転する方式のことだが、平地であっても諸事情でスイッチバックとなっているところもある)おそらくその道の方々には有名なのかもしれないが、鉄道にさして詳しくないので初めて知る事実である。

スイッチバックになっているのには必ず理由がある。あまり深掘りはしていないのだが、どうやら北に位置する小坂市に路線を延伸する計画があり路線を引き込んでみたものの、計画がとん挫しこのような状況になったようだ。鉄道あるあるな話である。

 
 

 

 

十和田南から延伸するはずだった小坂市には、以前鉄道路線があった。1908年(明治41年)に開業した小坂鉱山の専用線で、後に旅客営業も始まったが2009年(平成21年)に全線廃止となった。現在は小坂町に小坂鉄道レールパークという体験型の施設が建設され、路線跡には鉄道遺構が散見される(地図B)。

地図B かつて大館市と小坂町の間に敷設されていた小坂鉄道  Googleマップより

 

 
 

 

話を花輪線に戻そう。

十和田南駅周辺にも訪問したい土木遺構がいくつもあり、本当は途中下車をして歩き回りたかったのだが今回はスケジュール的に難しかった。

とはいえ、せっかくスイッチバック形式の駅を経由するので、少しでも雰囲気をお伝えしたく、短い動画を2本用意した。十和田南駅のホームの様子と合わせてご覧いただければと思う。

 

 

地図C  Googleマップより

 

乗車したのは、大館発盛岡行きの上り列車。末広を出発すれば、次は十和田南である(地図C)。十和田南が近づいてきたときに流れてきた車内放送が以下の動画だ。こういう放送を聞くと、なんだかワクワクする。

 

 

 

 

 

十和田南駅に到着

 

写真奥の最後尾の車両が、先頭車両に変わる

 

盛岡行きの上り列車は1番線に入線する。ここで進行方向が変わるので運転台を交換する。上の動画では、直前まで最後尾だった車両に運転士が移動してくる様子が映っている。 

 

 

十和田南駅に数分停車後、列車は柴平に向けて出発する。

出発してすぐに左右に線路が分かれていくのだが、その様子を撮影したのが次の動画だ。最後が突然終わってしまっているのはご愛敬(正直に言うと、ちょっと失敗した 笑)。

 

 
 

 

 

ちなみに、当然のことながら、十和田南駅北側の線路は行き止まりになっている。上り列車に乗っているときは時間がなくて写真撮影できなかったが、下り列車で再び十和田南駅を通過した時にホームから見える車止めを撮影した。

が、もたもたしていたら時間があまりなくなり、ホームの端まで行くことができず、こんな遠くからの撮影に・・。

 

 

ホームより北(小坂町方向)を望む

 
 

えっと、見えないですよね。拡大します。これで多少みえるでしょうか。
 

正面中央に小さく小さく車止めが見える

 
 

 

これでひとまず、十和田南駅のスイッチバックの話はおしまいだ。

十和田南駅の歴史や周辺の状況など、話はまだあるのだけれど、それはまた次の機会ということで。

 
 
 

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