快適なハイキングコースの先に讃岐三埼灯台

 

ナギヒコさんから寄稿していただいた記事です

到達:2026年1月
難易度:■■□□(初級)

往復1時間ちょっと。それなりののぼりくだりはあるが、道は整備されていて歩きやすいし、迷うこともない。讃岐三埼灯台(さぬきみさきとうだい、香川県三豊市)への往復は、ちょっとしたハイキングコースと言える。

讃岐三埼灯台があるのは、瀬戸大橋と燧灘(ひうちなだ)のあいだ。四国から北西に細く突きだした荘内半島(三崎半島)の先端にある。

(国土地理院)

向かいの六島にある六島灯台(むしまとうだい、岡山県笠岡市)との間はほとんどの瀬戸内海航路が通る重要な場所だ。なのだが、1922年(大正11年)初点灯の六島灯台に対して、讃岐三埼灯台は1959年(昭和34年)と初点灯は遅い。

讃岐三埼灯台に行くルートは2つある。北側の室浜にある「室浜大明神のシンパク」という保存木付近からスタートするか、南側の仁老浜(にろうはま、にろはま)海水浴場からスタートするか。

(国土地理院)

どちらのルートでも途中で合流するのだが、室浜ルートの方が距離がやや短い。その分、途中ののぼりがかなりキツいようだ。

仁老浜ルートは道が整備されていて歩きやすいようなのと、ちゃんとした駐車場やトイレがあるという利点がある。

先人のみなさんは、多くが室浜ルートを採っているので、今回は仁老浜ルートにしてみた。クルマがとめやすいのもいい。ただし海水浴シーズンは混んでいるかもしれない。

 

ということで、仁老浜に到着した。竜宮城みたいな建物はトイレ、手前の建物はシャワー室だ。

“竜宮城”なのは理由があって、荘内半島は浦島太郎の伝説がある場所なのだ。詫間町生里(なまり)は太郎が生まれた土地、箱という珍しい地名は太郎が玉手箱を開けた場所、紫雲出山(しうでやま)は玉手箱から出た紫の煙が立ち上った場所、室浜(不老浜が転じた)は年をとった太郎が住んだ場所、と浦島太郎由来の地名が多い。

コミュニティバスの停留所まで竜宮城だ。

駐車場の前には小さな神社がある。灯台への道の入口はその右手。

「整理のため駐車代六百円いただきます」とあるのは、人が海水浴やキャンプに来る夏だけのことだろうけど、一応払っておこう…と思ったのだが、どこに払えばいいかわからない。仕方ないので郵便受けを使った賽銭箱に投入しておいた。

 

いよいよスタート。自然歩道「四国のみち」の一つとして「岬めぐりのみちコース 7.4km」が設定されている(左の案内板)。「四国のみち」は結構整備されていて、これまで荒れているところがあまりなかったが、ここはどうだろうか。

そもそも歩道がコンクリート舗装されている。クルマで入ろうとする人を防ぐため、チェーンが張られている。歩行者はまたげばいい。

 

ゆるめの上り坂、コンクリート舗装で道幅は広いし、探検感は少ない。

と思っていたが、だんだん傾斜がキツくなってきた。

ずっとのぼりで息が苦しく、2回ほど立ち止まって休憩。路面は落ち葉でいっぱいで、気がつくと舗装はなくなっていた。まだ5分しか経っていないのだが、高低差50mをのぼってきたのだ。

そのあと傾斜は緩やかになり、くだる場所もある。歩き始めて10分ちょっとで、室浜ルートとの合流点に着いた。

写真右端がいま来た道で、石垣の階段をのぼった先が室浜ルート。

地図を見ると、仁老浜ルートより短い水平距離で50mをのぼっている。これまでののぼりも楽ではなかったが、室浜ルートはもっと大変、ということだ。

 

その後、緩やかなのぼり、ときどきくだり、という歩きやすい道が続く。道幅も十分にある。

なんでもない場所に石が積まれていた。

どんどろ石のところまで来た。どんどろとは雷さまのことだという。さすが四国のみち、標識もしっかりしている。

すぐ立石休けい所への分岐に到着。歩き始めて20分。

右に行けばすぐに休けい所だ。ここで行き止まりで、本当に休憩するだけのところ。作った当初は左手の木がもう少し低くて、見晴らしがよかったのかもしれない。

それでも木々の間から少し海が見える。向かいには六島(むしま)の六島灯台が小さく見える。この間を多くの船が行き交っているのだ。

 

分岐まで戻って、左のくだり道で灯台を目指すのだが、ここのくだりがなかなか急だ。写真右は古い道で、今は左の道をおりていく。申し訳程度に(アスファルト?)舗装されているのだが、土や枯れ葉のところではなくここを歩かないと滑りそうなぐらい。帰るときののぼりはツラそうだ。

しばらくすると古い道と合流するが、そこから振り返って撮影したもの。急坂対策として石の階段が設けられているが、少し崩れている。整備しきれなくなって新しい道に変えたのかな?

ようやくくだり切ると、三崎神社ののぼり口(写真左端の階段)と、関ノ浦への分岐点(右を指す標識)に着く。歩き始めて30分弱。

三崎神社は高低差40mののぼり階段、関ノ浦は高低差60mのくだり。どっちも魅力はあるのだが、今回は時間の都合もありパスした。

 

この先はとうとう道が細くなる。広い道は三崎神社のためだったということかもしれない。

途中、左手の木が途切れて海が見えた。手前は高井神島とかで、その向こうはしまなみ海道の島々だろうか。

三崎神社からすぐ、というイメージだったのだが、思ったよりは長く道が続く。ようやくくだり階段の先に灯台っぽいものが見えてきた。

 

讃岐三埼灯台に到着。歩き始めてから約35分かかった。往復1時間ちょっとの、快適なハイキングコースと言えるのではないか。

中抜きされたような四角い灯塔というのは見たことがない造形だ。初点灯の1959年(昭和34年)のころは明治期の伝統的な灯台設計から離れて、さまざまな形が採用されていた時代ではあるが。

さらに、太陽光発電パネルを載せた四角い柱の構造物が付属している。これは光源をLEDに替えたときに増築したとも考えられるが、灯塔と同じくタイル貼りになっているから、同時に作られたようにも思える。そのときはなにか載っていたのだろうか。

塔頂にのぼるはしごは海側にあった。しかも、すべて直線で構成されていると思っていたのだが、付属舎の一部分だけ曲線が採用されていた。

敷地が狭いので、海側の写真はこれ以上撮れなかった。

敷地の横には、さらに先へ行く道がある。この先を行った人の動画を見たが、高さ30mぐらいの急な斜面になっていて、滑ったら海面まで真っ逆さま、という感じだったので、ちょっと覗くだけにしておいた。

最後に、讃岐三埼灯台から見た六島灯台を撮影して、今回のクエストは終了しよう。

 

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