秋の錦秋湖は素晴らしい。錦(にしき)の秋とはよく名付けたものだと思う。
東西に延びた形をした錦秋湖は、湯田ダム(岩手県西和賀町)建設によってできた人造湖だ。
2021年11月、以前にも記事にした湯田ダムを訪問した後、西にある湯田貯砂ダムへ向かった。このときは国道107号が通行止めだったため、秋田自動車道で錦秋湖の南側を通るルートで行くことにした。
(※2022年11月30日に通行止めは解除)
湯田貯砂ダムの右岸(南側)から近づくには、湖に沿った細い道を行く。その道に続く小さな橋の手前でいったん車を降り、周辺を見渡してみた(錦秋湖map①)。
紅葉は終盤だが、印象派の絵画を見るかのような美しい光景に息をのむ。
橋を渡り道なりに進むと、晩秋ならではの落ち葉で埋め尽くされた場所に出る(錦秋湖map②)。
湯田貯砂ダムは、JR北上線のほっとゆだ駅から2kmほどなので歩いてくることもできる。この美しい景色の中での散策は素晴らしいが、途中に立ち寄った錦秋湖SAでは直近で熊が出没した看板が出ていた。徒歩でアプローチする場合は十分な注意が必要だろう。
ほどなく、湯田貯砂ダムに到着(錦秋湖map③)。
地図を見れば、錦秋湖が狭窄している場所に貯砂ダムがつくられていることがよくわかる。そもそも、貯砂ダムとは字のごとく砂を貯める役割のダムだ。上流部から流れ込む土砂が錦秋湖にたまっていくのを防ぐために、2002年(平成14年)に建設された。
次の写真は真横から貯砂ダムを撮影したもの。17に分かれた水の束が、勢いよく流れ落ちている。
すこし、角度を変えると、越流部分の構造がよく見える。
湯田貯砂ダムがユニークなのは、越流部分の直下が通路になっていて一般見学者も通行可能になっていることだ。時期は限定されるが、裏側から水のカーテンを見ることができる。(訪問時は11月のため、残念ながら監査廊は閉鎖されていた)
別名、錦秋湖大滝とも呼ばれる湯田貯砂ダムは、夜間のライトアップも実施されている(2022年は7月1日から10月10日まで実施された←夜間ライトアップの様子はこちらのリンクから)。虹色にライトアップされた17本の幻想的な水流は、インフラツーリズムの大きな役割も担っている。
下の写真は貯砂ダムの下流側を撮影したものだが、貯砂ダムのすぐそばに橋が架かっている。
赤丸をつけた橋脚部分を見ていただくと、横線のようなものがついているのがわかるだろうか。これはおそらく水位の跡だ。
下のGoogleストリートビューの画像と見比べるとよくわかるが、水位が高い時期はこの線まで水が満たされ、砂防ダム自体も湖の中に沈んでしまうのだ。
★関連記事