【1】会津蒲生駅 JR只見線不通区間探訪記 2020/6

2011年(平成23年)7月の新潟・福島豪雨災害により、JR只見線は甚大な被害を受けた。3つの橋梁の流出や線路の崩壊など簡単には復旧できない状況となり、只見駅から会津川口駅までの27.6kmの区間は代行バスでの運行となった。

只見線の全線開通には莫大なコストがかかることから存続そのものが懸念されたが、2017年6月にJR東日本と福島県が今後の運営に関する契約の締結を行い、只見線の全線開通を目指す方針が決定。不通区間の復旧工事は2018年6月に始まり、2019年11月には、2021年度中に完了予定であることが明らかになった(JR東日本仙台支社発表)。

今年に入ってからの新型コロナウイルスの影響は看過できないが、少なくとも、約10年という期間続いた只見線の分断は、そう遠くない将来には解消されることになるだろう。

2020年梅雨の真っただ中、そんな只見線の不通区間の駅を実際に訪ねてきた。
長く止まっていた時がゆるやかに動き出そうとしている、只見線の「今」をお伝えする。

会津蒲生(がもう)駅

 
 
不通区間の駅は全部で6つある。最初に訪れたのは、会津蒲生駅だ。
 

駅名所在地運行状況
会津川口駅福島県大沼郡金山町
本名(ほんな)駅福島県大沼郡金山町不通
会津越川(こすがわ)駅福島県大沼郡金山町不通
会津横田駅福島県大沼郡金山町不通
会津大塩駅福島県大沼郡金山町不通
会津塩沢駅福島県南会津郡只見町不通
会津蒲生駅福島県南会津郡只見町不通
只見駅福島県南会津郡只見町

 
 

駅に続く道を歩いて行くと、会津蒲生駅の西側に位置する踏切が見えてくる。このまま進めば、蒲生岳登山口となるようだ。

 

「とまれみよ」の標識上部がへなへなになっている

 
 
右方向には駅の待合室が見える。事前に知らなければ、気が付かないかもしれない。

小さな待合室。屋根が傾斜しているところが雪国らしい

 

踏切から駅方向を臨む

 

踏切から駅とは逆、只見駅に続く方向を臨む。線路が大きくカーブしている

 
 
改札口などはないので、駅の西端にあるコンクリートの階段でホームに上がる。板でふさがれた待合室がひっそりと建っている。この駅にトイレがあったかどうかわからないが、仮に設置されていた場合でも現在はすべて撤去されている状態とのことだ。

駅名標本体は新しいものに取り換えられているようだ

 

柱には切符回収箱が設置されていた。以前も無人駅だったのだろうな

 

線路内外の雑草などはほとんどない状態

 

ホームの東端から会津川口駅方向を臨む

 

列車から見えるはずの「会津蒲生」の標識。だいぶ劣化しているが、再開通前に新しくなるのだろうか

 
個人的には、予想していたよりもずっと「荒れていない」と感じた。もちろん、復旧工事が始まっているからということもあるだろうが、長い年月の間、一定のメンテナンスが行われていた印象を受けた。

 

代行バスでのアクセス

 
不通区間では代行バスが運行されている。運賃は只見線に乗車するのと同額で、只見駅から乗車する場合は只見駅で乗車区間の切符を購入する。

注意が必要なのは、代行バスが止まるバス停が駅とは別の場所にあることだ。

会津蒲生駅の場合は、「雪の里」という集会施設の前にバス停がある。
 

集会所「雪の里」。トイレも利用できるので有難い

 
雪の里の壁には、平成23年の豪雨の際、水位がここまであがったことを示すラインが壁に取り付けられていた。
 

雪の里の裏手には、只見線の鉄橋が見える

 
登山口が近くにあるためか、雪の里の道路をはさんだ正面には大きな駐車場もある。
雪の里の前の道路を歩いてすぐの場所に、駅への標識があるので、迷うことはないだろう。

 

会津蒲生駅へは左折して細い道を道なりに行く
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