想定外の通行止めに想像以上の難路、難易度上級と言っていい釣島鼻灯台

 

ナギヒコさんから寄稿していただいた記事です

 

到達:2024年5月
難易度:一応■■■□(中級)

 歩くのがかなり危ない場所があるとか、往復に非常に時間がかかるなど、個人的に「ちょっと行くのは無理だな」という「難易度上級」の灯台は避けているのだが、釣島鼻灯台(つりしまはなとうだい、兵庫県南あわじ市)は結果的に「難易度上級」と言ってもいいぐらいだった。

 まず、想定していた歩行ルートが通行止めだった。別ルートがあるのはわかっていたが、行き方を詳しく調べていなかった。また、灯台近くは道が急勾配で、木の枝やロープにつかまらないとのぼりおりできなかった。最後は左右が切り立ったガケなので、よそ見をせずに慎重に歩かなければならなかった。

 釣島鼻灯台は、鳴門海峡に近いが、鳴門海峡を通る船というより、福良港(ふくらこう)に入る船のためのものではないかな。

(国土地理院)

 福良港の西には小さな半島があって、休暇村南淡路という宿泊施設などがある。灯台はその先端にある。

 福良港の東側から撮影したのが次の写真だ。画質が悪いのではっきりしないが、赤丸の中にある白いものが灯台だろう。写真右にある建物が、休暇村南淡路の宿泊施設だ。結果的にはこの宿泊施設から灯台までを歩いたことになる。

 クルマで休暇村に向かい、半島部分に入ると、まず広く平らな区画がある。これがテニスコート跡だ。その少し先にテニスコート用と思われる駐車場がある。

(国土地理院)

 テニスコートがないので、駐車場も使う人がいない。奥にあるトイレは閉鎖されていた。ここにクルマをとめ、道の反対側から灯台を目指す。

 ところが、たいして進まないうちに、立入禁止のフェンスが現れた。なんと!!

「注意書きだけでは無視するヤツもいるだろう、絶対に入らせないようにしよう」という本気の警告だ。がけ崩れかなにかで、道がかなり危なくなっているが、もう補修する気はない、ということだろう。

 

 休暇村の宿泊施設の方から行くルートがあることは、事前に知っていたのだが(灯台関連のブログの著者さんたち、いつもありがとうございます)、距離が長いのでそのルートを使うつもりがなく、行き方を詳しく読んでいなかった!

 距離が長いということは、往復の時間も予定よりかかるだろう。だが、この次は沼島(ぬしま)に渡る船に乗る予定なので、その時刻には間に合わせなければならない。

 

 ここであきらめるわけにもいかないので、宿泊施設の方に移動し、そっちの駐車場にクルマをとめた。ところが、そこからどっちへ行けばいいかがわからない。

 方向的に考えて、進めそうなのは、宿泊施設の搬入口と思われる方だけだ。「この先行き止まり」の標識が不安をかきたてるが…。間違った方向に行ってしまうとマズいが、迷っている時間の余裕もない。

 途中に歩道の入口のようなものはなかった。念のため、行き止まりまで行ってみる。

 すると建物の左に駐車しているクルマの後ろに、ちょっと道っぽいものがあった。これか?

 有刺鉄線の右側が宿泊施設の敷地だとすれば、左側は敷地の外、ということだ。

 

 そのまま進むと、どうやらこれでよさそうな感じになってきた。いつもの“灯台への道”っぽい。

 道ははっきりしていて、起伏もそれほど大きくない。

 廃屋のようなものがあったが、なんの建物だったんだろう? 道は左方向に続いている。

 一対の石像があった。歩いてきたのとは反対方向からの人に向けている(振り返って撮影)。気づかなかったのだが、神社のようなものが近くにあるのかも(あとで見た国土地理院の地図には小さい建物の表示があった)。

 

 分岐点に到着。右から来て、さらに灯台方向に進んでから振り返ったところ。右は「宿舎へ500m 歩いて11分」とある。もう少し時間がかかったかもしれない。

 左は「テニスコートへ300m 歩いて7分」。“立入禁止”のフェンスがあった反対側にあたる。ここを進むとそのまま危険箇所にまで行ってしまうのではないかと思うが、通行止めの案内はない。こっちから行く人はいない、という判断かな。

 案内があるのは2方向だけで、灯台への表示がない。同じような標識が2つもあるのはなぜだろう。

 さあ、これからが本格的な道になる。灯台まで高低差40mぐらいを一気に下っていくのだ。

 いつも思うのだが、その場で感じた急な勾配が、写真ではさっぱり感じられない。カメラを坂にあわせて傾けているし、周囲に水平を感じるものがないからでもあるのだが。

 これはくだったあとに見上げたもの。こっちは傾斜が多少は実感できるかもしれない。ここはロープがあって非常に助かった。

 急なくだりは続く。ここのロープはなくてもだいじょうぶだが、どういう目的を考えているのかな。

 くだったあとに見上げたところだが、写真だとあまり道に見えないな。逆に、ここはロープがほしかった。一歩一歩慎重に踏みしめないと、あっという間に滑りそうだった。

 左右両側がガケになってきた。地形が細くなったということは、岬の突端に近づいたということだ。

 木が少なくなったので、道にも草が生えている。つるに足を引っかけないように気をつけないと。ここでころびたくないからな。

 石が四角く積まれていた。用途はよくわからない。

 

 灯塔がちょっと見えてきたぞ、あとひと息。

 灯塔の上半分だけだが、姿を現した。さらにガケの下の海面も見えるようになったが、見てしまわないように気をつけ、心を落ち着かせて通りすぎる。

 右の柵は錆びきっているし、あまり高くないから、いざというときにつかまるものとしては頼れない。何十年か前に灯台までの道を整備したが、それきり保守されていない、という感じ。

 

 灯台越しに広がる海の風景、これは気持ちいい。到達の難易度が高くて、しかもこれだけの風景が見られるところはなかなかない(周囲の木で見えないことが多いので)。景色をゆっくり味わいたいところだが、時間が気になる。

 左前方に見えるのは、福良港を挟んで反対側、右に遠く見えるのはおそらく鳴門海峡の向こうの徳島だ。右から来ている船は、まさしく福良港に入ろうとしているのではないか。

 だが、まだ“到達”とは言えない。最後にこの階段が控えていた。

 左の手すりは倒れていてまったく役に立たない。もう一回“平常心”を振り絞って。慎重におりていく。

 おりてから振り返るとこんな感じ。ここをのぼるのかと思うとうんざりするが、くだりのときのような怖さはない。

 そして釣島鼻灯台に到着。だが、敷地が狭いので、灯台の全体写真はほとんど撮れない。

 敷地の反対側には、海からのぼってくる階段があった。こっちの手すりはしっかりしている。灯台の点検・保守作業をする人は海側から来ているのだろうか。

 宿泊施設の駐車場にクルマをとめてから約25分。休む暇なく引き返す。結局帰りも25分ぐらいだった。

 

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