中国、武漢市で原因不明の肺炎が起きている・・というニュースを耳にしたのは、昨年の12月だった。正確な日付は覚えていないが、webニュースの記事や夕方の民放ニュース番組からの情報だったと思う。
厚生労働省が報道関係者に向けて、「中華人民共和国湖北省武漢市における原因不明肺炎の発生について」という文書を発表したのが、今年2020年1月6日。その後、1月14日までに第4報までが報告され、1月20日の第5報では「中華人民共和国湖北省武漢市における新型コロナウイルス関連肺炎について」とタイトルを変えて報告された。
それ以降は同文書タイトル末尾に「令和〇年〇月〇日版」をつけて、連日報告されるに至っている。
中国の春節による連休で多くの中国人観光客が訪日する中、武漢市の実質封鎖のニュースが流れ、一気に雲行きが怪しくなってきてはいたものの、まだどこか他人事な空気が日本全体に漂っていたように思う。
その頃、中国人観光客減少の影響で関西の観光バスの経営が厳しくなっているというニュースを見て、不見識ながら、「え?もうそんなに早く影響が!」と驚いたのを覚えている。
その後、2月3日に、ダイヤモンドプリンセス号が横浜港に帰港したことで、コロナウイルス感染報道が過熱したのは、周知のとおりだ。
連日連夜の報道を耳にするたびに、少しずつ私たちの中に得体のしれない不安という澱(おり)が沈んでいき、次第に日常の生活が見えない鎖で縛られるような状況になってきたのだろう。
結果として、不要不急な観光バスツアーは海外からだけなく国内からもキャンセルの嵐となり、観光バス業界は大変厳しい状況に陥ることになった。(もちろん、大打撃を受けたのは、観光バス業界だけの話ではない)
特に、2月中旬以降、さまざまなメディアで観光バス業界の窮状が取り上げられている。下の動画では、バス運転手の給料捻出のため、商売道具のバスを売却を決意した日本城タクシーの坂本篤紀社長が窮状を語る。
このような状況は、はとバスも例外ではない。
公式ページで各ツアーの予約状況をみると、満席になっているものがほとんどない。
満席どころか、催行決定人数に満たないものも少なくないように見受けられる。
今の時期なら、河津桜や菜の花、いちご狩りなど、季節的に人気のあるツアーも多いはずだが、おそらく例年になく申込状況が落ち込んでいると推測される。
はとバスの公式サイトでは2月28日付けで、「新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴うツアーの運休・中止について」として、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う見学施設等の休止で、止むを得ず一部ツアーを運休・中止する苦しい状況がインフォメーションされている。
なんとか一刻も早くこの状況を抜け出してほしいと思うが、いつまでこの状況が続くのか確実な見通しができない今、しばらくの行動自粛と、気持ちを一つにしてこの状況を乗り切れるよう祈りたい。