2024年4月25日にスタートした木曜ドラマ「Believe -君にかける橋-」は、テレビ朝日開局65周年の記念で制作されたドラマだ。主演を木村拓哉(以下、俳優名敬称略)、脇役に何人もの主演級俳優をキャスティングしたことからも、制作側の力の入れ具合がよくわかる。
木村拓哉演じる主人公の狩山陸(かりやまりく)が、大手ゼネコン帝和建設の土木設計部部長という役柄で、橋の建設に情熱をそそぐドラマ設定と聞いていたので、土木ウォッチャーの私としても視聴しないわけにはいかないなと思っていた。
初回放送後にXをのぞいてみると、好評価のツイートが多かった。最近では、必ずしも彼のドラマが高評価とは限らないこともあったので、まずは合格点の出だしといったところだろうか。
なにより、土木的な視点のおもしろさもあるので、JBpressでこんな↓記事も書いてしまった。よく仕事をご一緒している吉川先生(東京都市大学名誉教授)に解説していただいているので、ぜひご覧いただければ。
【キムタクドラマBelieveを土木視点で見る】実際の“龍神大橋”はどこにある?なぜ落ちた?
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さて、今回の本題は天海祐希だ。ドラマ内では狩山陸の妻玲子を演じている。夫と対等に渡り合う大学病院の看護師長というバリキャリの設定だ。
言うまでもなく、宝塚の中でも抜きんでた存在だった彼女(当時のことを知らないけど、間違いなくそうなんだろう)。俳優に転身したあとも出演作は数限りない。
その中でも私が彼女のファンになったドラマは、ちょうど20年前に放送された「離婚弁護士」だ。企業法務をバリバリこなしていた弁護士間宮貴子(天海祐希)が、独立を機に大手事務所の妨害を受け、ひょんなことから離婚を手掛ける弁護士として成長していく物語だった。
パラリーガル役で今は亡き津川雅彦さんもいい味をだしていて、とてもいいドラマだった。なにより、弁護士役の天海祐希が、この人以外の配役はない!ほどのはまり役だった。
その後も、トップキャスター(2006年)、BOSS(2009年~2011年)、緊急取調室(2014年~2022年)など、彼女だからこそ的な役をひょうひょうと緻密にこなし続けてきている。
いずれも、図抜けて優秀でありつつ、人間的な小ささ(大きさじゃなくw)も併せ持ち、なおかつ信念を貫くメンタルタフネスな女性を演じさせたら右にでるものはいないだろう。そんな彼女は圧倒的にオンナにもてるオンナである。
あれほどの透明感のある美貌とスタイルを持つ俳優さんなので、もちろん男性のファンもたくさんいるだろう。でも、おそらくは敬遠する男性も少なくないはずだ。内面のかわいさを覆った圧倒的なパワーに、オトコは気後れしてしまうのだ。
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もちろん、天海祐希はバリキャリ以外の役も数多くこなしている。例えば、先日再放送されていたガリレオ第2シーズン最終回の三田綾音役では、心優しい家庭的な妻を演じていた。でも見ているこちら側にしてみると、何か違う。こんな男にしがみつくような人ではないはず・・と役柄に違和感を感じてしまう。
ネタバレになるのでこれ以上はかけないが、その役柄も少し裏があるので、あえての違和感を醸し出していたという演技上の演出ということもある。
が、やはり違う。どうしてもいろんな障害をなぎ倒していく強くてかっこいい天海祐希を、こちら側は求めてしまうのだ。これはもう、天海祐希というより、見る側のフィルターの問題なのかもしれないが。
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話は戻り、Believeでの天海祐希。正直なところ、木村拓哉と天海祐希の夫婦というのも、あまりしっくりこない(中年ではあり得ないくらいの美男美女の夫婦だけど)。
(現在わかっているドラマ上の設定では)余命宣告されていることだけでなく、奥になにかを抱えた不安定な様子が、みているこちらを落ち着かなくさせる。今後、どんな心の動きをみせてくれるのか、彼女演じる妻玲子の動向も非常に気になるところである。
ちなみに、ドラマ冒頭のシーンに関してちょっと面白いことがあった。
ベッドに寝ている狩山がアラームとともに起床し、ベッドの中で誰かとチャットするシーンを覚えているだろうか。
このシーンに関して、男性の同僚が「あれって、誰と会話してるんだ?今回の話になにか絡んできた?」とつぶやいていた。
わたしが、「妻でしょ」というと、驚いたように、「え?同じ家の中にいるのに?」と言う。
後で録画したドラマを見返してみると、スマホの中にチャット相手のアイコンが表示されているのだが、ナースキャップらしきものをかぶっているアイコンだったので、やはり相手は看護師である妻の玲子なのだと思う。
「お久しぶりです」という言葉も、同居していながら多忙のあまりめったに顔を合わせない相手に対する、軽いジャブなのだろう。
おそらく、女性ならチャットを送った相手が妻だとすぐわかったのではないか。彼ら夫婦の関係性が、すぐにピントきたのではないかという気がする。
オトコとオンナの間にはかように深くて流れの早い川があると感じるのだが、どうだろうか 笑