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前回の続きです。
丸沼ダムから1kmちょっとのところに、一之瀬取水堰がある。
一之瀬取水堰の入口も、国道120号線の道沿いにある。丸沼ダムから徒歩で向かうことにした。
落葉と苔をまとう一之瀬取水堰
地元タクシーの運転手さんの話によると、今年は紅葉が遅かったとのことだが、終わりの時期は去年とあまりかわらない感じがする。去年のほうが色鮮やかだったような気もするが、この場所をみただけでは確かなことはわからない。
取水堰への入り口には大きな看板などがないので、車で訪問した場合などはうっかり見過ごしてしまうかもしれない。
入口からUターンして一段下がった道を歩く。
取水堰の上の通路は立ち入りができるようになっている。丸沼自然遊歩道の通り道となっているので、そのまま大尻沼の湖畔を丸沼方向に向かって歩いて行くことができる。この日はちょうど私の前を釣り人らしき人が歩いていていた(下の写真の青矢印)。
ちなみに、この通路に数mの細長い鉄板のようなものがあるが(下の写真の赤矢印)、これが何の役割なのか後の写真で説明する。
通路を渡り、遊歩道側から取水堰を眺める。標識によれば、取水量は毎秒4.73㎥とのこと。一之瀬取水堰と一之瀬発電所の高低差が280m超あり、この落差を利用して発電している。
さて、ここで先ほど説明した通路上の細長い鉄板を思い出してほしい。上の写真の中央にある蒲鉾型の取水堰導流部のちょうど真上にあの鉄板が位置している。
拡大してみよう。
導流部の中をよく見ると、溝のようなものがあり、そこに角材のようなものがはめ込まれているのが見えるだろうか。これは江戸時代から水をせき止める堰などに使われる「角落し」と呼ばれるもので、溝に角材(または類するもの)を落として積み重ねていくことで、堰き止められる水量を調節できる仕組みだ。
必要時、先の鉄板を外すことで、角落しができるようになっているのだろう。
はじめてのダムカード
一之瀬取水堰を後にして、さらに徒歩で1km弱、丸沼高原の入り口まで歩き、しばし待ってバスに乗る。とりあえずは鎌田営業所近くまで戻ることにする。
鎌田営業所に着いたら、まずはダムカードをもらいに行く。
実は私、ダムカード収集に興味がなく、これまで一度ももらったことがない。が、今回はどういうわけか、せっかくなのでいただこうかという気になった。すぐ目の前に配布場所の片品村商工会館があるわけだし。
そして頂いたのが、こちらの2020限定の丸沼ダムカード。今後も収集することはないと思うけど、微妙にうれしくなっている自分がちょっと可笑しい。
沼底に沈む放流バルブをウィンナで再現
広い食堂は、ソーシャルディスタンスで席間隔も十分あり、コロナが流行ってから旅先での食事は外でおにぎりを食べることが多い私でも、誰に気を使うこともなく食事ができる。1日30食限定の丸沼ダムカレーを早速注文した。
ダムカレーは、ごはんをダムの形に模してというのが定番だが、丸沼ダムカレーのごはん2か所に分かれており、なんとカレーを手作りワッフル(美味しいんだよ!)で堰き止めているのには驚いた。
考えてみればそっくりだけど、バットレス構造をワッフルで表すとはとはねぇ。
まぁ、バットレス構造をワッフルに置き換えるだけなら、そこまで驚かないんだけど、心底驚いたのは「おすすめの食べ方」に書かれているSTEP3「放流バルブ点検」である。
野菜だけ先に食べてみると、でてきました放流バルブならぬウィンナー。ワッフルの底に無理やりねじ込んである感、もうなんだか泣けてくる。がんばってるな、かたしな食堂。
さて、カレーを頂こうとした矢先、な、な、なんとバットレス構造が倒壊。カレーが決壊してしまうという大変な事態に。
丸沼ダムは大丈夫だろうかと、いらぬ心配をしつつ、美味しくいただきました。
去年は泊まりの旅だったことを思うと、日帰りはかなり時間を気にしての旅となった2020年。でも去年以上になんだか充実した感があった。
なにより、事故もなく無事にトム・ソーヤ号に乗船できて写真も撮影出来て、本当によかった。「丸沼を愛する会」そして片品村の地元の皆様、名もないサイトの片隅からお礼を申し上げます。