【1】片品村へ 八高線が一部不通 小川町駅で途方に暮れる

つい先日、群馬県の片品村へ撮影旅行に行ってきた。
台風19号の襲来からあまり日が空いていなかったので、行く先変更も検討したが、当該方面に大きな被害はなく予定通り出発することにした。

片品村の最寄り駅の1つがJR沼田駅である。自宅から最短のルートは、大宮駅から新幹線で高崎まで出て、そこから上越線で北上すればいい。
なんだけど、短い距離でも新幹線を使うと交通費が高くなる。調べてみると、40分ほど余計に時間がかかるが、東武東上線の小川町駅(都内じゃなく比企郡のほう)からJR八高線を使い高崎駅までいくルートだと、先のルートの半額でいくことができる。

深く考えもせず、このお安いルートで行くことに決め、最寄り駅から始発電車に乗り込んだ。
ところがである。台風19号の余波で八高線の一部が不通になっていたのだ。
そんなの、少し思慮深く考えれば事前に想定できそうなものだけど、私はいつもこういう詰めが甘いところがある。

小川町駅で私は途方に暮れた。片品方面までの道行きを綿密に計画を立ててはいたが、それは沼田駅まで順調に行けるという前提での話だった。
新幹線に乗るには、川越まで戻って、そこから川越線で大宮まででるのか?どんだけ時間ロスになるんだろう・・などとテンションがダダ下がっていくのがわかる。

それでも念のため小川町駅の駅員さんに聞いてみたところ、
「とりあえず、寄居まで行って、そこから熊谷まで出てください」とおっしゃる。
地理の明るい方に笑われそうだけど、この時点の私は、小川町と寄居と熊谷と高崎の位置関係がまったくわかっていない。旅をするってのに、八高線が地図上どういうふうに走っているかも把握してないという体たらく。ナビタイムや駅前探検倶楽部で行く先入力して乗り継ぎ時間だけを把握するだけという、ツケが回ってきた結果なのだ。

細かい地理的状況を調べるにも、寄居行きの電車の出発時間が2分後に迫っている。
駅員さんにお礼を言って、とりあえずホームに停車している寄居行きの電車に駆け込んだ。

ちなみに、小川町駅から寄居駅までは八高線も動いていた。寄居駅に行くには、東武東上線と八高線両方を利用可能な状態。下の地図でもわかるように、②(小川町駅)から①(寄居駅)までは、いったん別れて合流する。
瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ 的な感じだろうか。(全然違う)

①寄居駅 ②小川町駅 ③大宮駅

寄居駅行きの電車に乗り込み、状況を整理。まずは地理関係を把握しなければいけない。
知人が、高崎と寄居と熊谷は、細長い二等辺三角形のような位置関係と教えてくれた。あとから地図で確認すると、小人さんのとんがり帽が風になびいて左に傾斜しているような形の三角形だ。
北西に進む八高線に乗れないため、東方向に走る秩父鉄道(秩父線)に乗り換えて熊谷に行き、そこからあらためて高崎線で高崎を目指すという迂回ルートがようやくイメージできた。

自分の詰めの甘さで、当初の予定よりも1時間程度ロスになり、沼田からの予定も組みなおしになってしまうが、まぁ仕方ない。それにこういうイレギュラーなことも旅の楽しみの一つ。秩父線だって初めてだ・・と下がりまくったテンションも次第に回復。まったく単純な女である。

ほどなく寄居駅に到着。ここで秩父線に乗りかえる。

早朝の時間帯なので駅に人はまばら。
寄居駅周辺は雲の波に沈んでいた。

羽生駅行きの電車が到着するまで、しばらく時間がある。
寄居駅のホームをなんとはなく歩いていると、なんだか妙に既視感があるというか、古い記憶が呼び起こされるような感覚があふれてきた。

「秩父鉄道「よりい」駅がタイムスリップ感を醸し出すワケ」に続く

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