寄せる波は碧く 雪化粧の浄土ヶ浜

 

 

 

 

岩手の宝とも称される三陸随一の景勝地「浄土ヶ浜」。入り組んだリアス式海岸の中でもとりわけ深く浸食された地形と、二酸化ケイ素を多く含む白い岩肌が独特の景観を作っている。

遊覧ボートや海水浴など、季節によりそれなりの賑わいを見せる浄土ヶ浜も、真冬の1月となれば訪れる人も少ない。が、雪化粧の砂浜と碧い海の取り合わせがみられるこの時期こそ、「浄土ヶ浜」の名にふさわしいのかもしれない。

 

 

 

 

 

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凍結注意な階段を下りる

浄土ヶ浜は三陸復興国立公園の中にある

 

浄土ヶ浜に向かうルートはいくつかある。

今回は浄土ヶ浜第一駐車場近くの道から階段を下り、海岸線にある遊歩道を通って浄土ヶ浜に向かうことにした。

 

 

 

 

 

天気は上々だが、朝の8時過ぎなので雪を踏みしめるとざくざくと音がする。宮古港開戦記念碑の右横にある階段を下りていく(地図①)。

 

階段の手前には道しるべ

 

下の写真をみてもわかるように、階段の一部は凍っていて滑る。歩くのには最新の注意が必要だ。

 

左側に見切れているのが宮古港開戦記念碑

 

 

本当は階段途中の写真を撮ればよかったのだが、そんな余裕は1mgもない。正直に言えば、途中で2度「引き返そうかな」と思った。くれぐれもみなさん、無理されないように。

 

 

なんとかつづら折りの階段を下りきってほっとする。降り立ったところは広場になっていて、一面の雪野原だ。

 

海岸に背を向けて撮影(地図②)

 

 

まったく土地勘がないので、目の前に見える海岸が浄土ヶ浜かと思ったのだが、どうやら違うらしい。レストハウスも閉まっているし、遊覧ボートにもビニールシートがかけられている。だって1月だもんね。

 

左手の建物は浄土ヶ浜マリンハウス

 

なかなかシュールな光景。次は営業時期に来るよ

 

公衆トイレ。分別ごみ箱はステンレス製(地図③)

 

 

改めて、海岸線を望む。「ここが浄土ヶ浜だよ」と言われても信じてしまう美しい景観だ。しかし本当の浄土ヶ浜は、下の写真の左端に写っているトンネルの向こうにあるらしい。

 

 

 

 

 

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短いトンネルの向こうに

地図④

 

遊歩道沿いには、ブラタモリでよく見かける柱状節理(ちゅうじょうせつり)のような岩石が連続している(地質にはまったく詳しくないので、板状節理のようにもみえるがさっぱりわからない)。調べてみると以下のようなコラムがあったので、板状節理が正解のようだ。

 

 

浄土ケ浜の印象的な景色を構成する白い岩肌や石はマグマの働きでつくられた火山岩で、マグマが流れた模様「流理構造」が見られることから「流紋岩」とよばれています。

また、浄土ケ浜の流紋岩には、マグマが急激に冷えて固まるときにできた「板状節理」とよばれる板を重ねたような形にできた割れ目も見られます。

三陸ジオパーク リアス海岸と隆起海岸がつくる海岸美と自然・風土より

 

 

遊歩道を進み、短いトンネルの中に入る。

 

照明はついていなかったが歩くのに問題はない(地図⑤)

 

トンネルを抜けてもまだ道は続く

 

 

トンネルを抜けたあと、後ろを振り返ってみる。翡翠のような美しく透明な海に、しばしみとれる。

 

 

 

さらに歩いて行くと、左手が少し開けた場所にでる。さぁこんどこそ、ここが浄土ヶ浜か!と思ったら、ここは砥石浜(といしはま)というらしい(広い意味で浄土ヶ浜といえるのかも)。

 

砥石浜近く(地図⑥)

 

 

 

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ついに浄土ヶ浜が

地図⑦

 

浄土ヶ浜が近くなると、それまでは高波にさらわれそうな遊歩道だったのが一転、手すりがつき道幅も広くなる。

 

 

 

地図⑧

ようやく浄土ヶ浜に到着。

上の写真、正面には浄土ヶ浜レストハウスがあり、その手前にバス停がある。停留所名は「奥浄土ヶ浜」となっていた。

 

 

 

そしてこちらが、様々な旅行メディアにもよく登場する浄土ヶ浜の看板である。

人工的なものとわかりつつも、なんだか神々しい。諸説あるが、その昔に高層が「さながら浄土のごとし」と称賛したと言われれば、そうだろうなと思わせるオーラがある。

 

 

 

 

 

浄土ヶ浜を背にして、正面に見える建物がレストハウス。その右横に見える細長い石碑は、昭和8年3月3日に発生した昭和三陸津波の記念碑だ。後世に伝えるための地震発生時の心得が刻まれている。

 

 

 

 

強大な自然災害により、繰り返し翻弄され続ける三陸海岸。知恵と経験をもって、少しでも減災できるよう願わずにはいられない。

 

地図③

 

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