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特に理由があるわけじゃないのだけれど、岬のように突き出しているような場所に行くのが好きだ。そういう場所には灯台も多く、一粒で二度美味しいみたいな感覚を味わえる。
灯台にはいくつか種類があり、いわゆる一般的に私たちが「灯台」と認識しているのが「沿岸灯台」というやつで、例えば関東の人ならおなじみの犬吠埼(いぬぼうさき)灯台みたいな背の高い、遠くまで灯りを飛ばす類のものだ。
日本全国の灯台と呼ばれるものは年々減りつつあるらしいが、それでも現在も3000前後の灯台がある。その中で沿岸灯台は1000弱ほどあるらしい。
では、残りの2000前後の灯台は何か・・という話なのだが、それが今回取り上げる「防波堤灯台」だ。
防波堤灯台とはその名の通り、防波堤の先端にある灯台のこと。海岸線を歩いていると紅白の灯台をよく見かけるが、この色にも意味があった。防波堤灯台の色は、港の奥に向かって右側が赤、左側が白と決まっている。(詳しくはコチラ)
そうわかって防波堤灯台を見るようになると、形が違うのはもちろん、紅白の大きさが違ったり港の形に応じていくつもあったりと、なかなか面白い。こうやってまた、新たな「沼」にはまっていくのを感じる。
では実際に、普段何気にみていて気付きにくい防波堤灯台をご覧いただこう。
尻屋岬港東防波堤灯台(青森県)
青森県の下北半島最東端、尻屋崎から約2.5km南西に尻屋岬港がある。近くで石灰石が採掘されており、三菱マテリアルや日鉄鉱業の工場が建ち並ぶ。長い防波堤の先端にあるのが「1555 尻屋岬港東防波堤灯台(冒頭の数字は航路標識番号)」だ。
陸奥岩屋港第2北防波堤灯台(青森県)
尻屋岬から6kmほど南下した西岸に岩屋漁港がある。漁港の岸から見て左側に赤い防波堤灯台が見える。右側の防波堤にも小さな白いミニ灯台が見えるが、こちらには特に航路標識番号がついていないようだ。標識番号がついていないと、防波堤灯台としてカウントされないのか、されるのか、ちょっとよくわからない。
外川港東防波堤灯台(千葉県)
千葉県銚子市の外川(とがわ)漁港にある防波堤灯台。灯台の左側に見えるのは、国内初と言われている着床式沖合洋上風力発電所である。
親不知漁港の防波堤灯台(新潟県)
新潟県の親不知(おやしらず)漁港からも、白い防波堤灯台が見える。航路標識番号は確認できなかった。足元にいる釣り人の赤い服が、白い灯台と対をなしているようにみえて面白い。
市振港北防波堤灯台(新潟県)
えちごトキめき鉄道の市振(いちぶり)駅近くにある防波堤灯台。LEDライトが使われており夜間は緑色に光るようだ。駅から見える場所なので、暗くなって光っているところを見てみたい。
岩館港西防波堤灯台(秋田県)
JR五能線の岩舘(いわだて)駅からほど近い場所にある岩舘漁港。防波堤灯台を調べるにあたり、いろいろな漁港を俯瞰で見るようになると、それぞれ微妙に形が違って、さまざまな条件を踏まえた結果の形なんだろうなと思うと興味深い。
その他の岩館の防波堤灯台(秋田県)
ひとつ前の岩舘漁港からすぐ北西に、防波堤で囲まれた場所がある。
人の背の高さぐらいしかないように思えるが、紅白の小さな灯台がたっている。
さらに北に歩いて行くと、小さなボートのスリップ・ウェイがあり、その先にもかわいい紅白の灯台があった。
防波堤灯台は、歩いて近づける場所にないことが多い。結果、ある程度距離のある場所からの撮影となるわけで、望遠レンズを持っていないと精細な写真が撮れないのがとても残念。
しかしなぁ、これ以上荷物が重くなるのも厳しいし。困ったなぁ。(もちろん、懐もw)