到達:2024年1月
探検度ゼロ
鵜戸埼灯台(うどさきとうだい、宮崎県日南市)は「探検度ゼロ」なのだが、通り道だし、形がユニークなので行ってみることにした。
鵜戸埼灯台がある鵜戸崎というちょっと海にせり出したところだ。道の先には、洞窟の中に朱塗りの本殿がある、有名な鵜戸神宮がある。
この岬は地形的におもしろい。結構難所だったようで、徒歩道のほか、トンネル(鵜戸隧道)のある旧道(現在は県道433号)と、長い新鵜戸トンネルのある新道(国道220号、1991年開通)が並行している。
その県道433号からはずれて鵜戸神宮に向かって走ると、鵜戸埼灯台が見えてくる。
とはいえ、知らなければ灯台だとは思わないだろう。
灯台の直前に到着。クルマ4~5台の駐車スペースがあるが、灯台用というより釣り人用かもしれない。
階段の手前にあるのは、ハイキングコースの案内板だけだ。階段を上がったところには、おなじみの青い案内板が見えるが、「これは実は灯台ですよ!」というアピールがほとんどない感じだ。
全貌が姿を現した。明らかな灯籠の形をしていて、鵜戸神宮に関連する建物だと多くの人が思ってしまいそうだ。
海上保安庁第十管区海上保安本部のWebサイトによれば、「建設に当たっては、地元の要望を受けて、鵜戸神宮の景観と調和し、住民に親しまれる灯台として、巨大な石灯ろう型のデザイン灯台が誕生しました。」とある。初点灯は1967年(昭和42年)。
“地元の要望”というのもおもしろい。意図的に「いかにも灯台」ではないものにしようとしたということだ。
トビラの右に横長のプレートがあるが「海上保安庁所管 昭和42年3月竣工」(なぜか“初点”ではなく“竣工”)としか書かれていない。灯台名はどこかというと、灯塔の中央にある別のプレートだ。
写真では判別しにくいが、「鵜戸埼燈台」と縦書きで書かれている。
灯籠であればあかりが灯される場所は、ただ黄色く塗られているだけで、実際の灯台の光源は灯籠の屋根(?)のさらに上にある。近くで見上げると屋根に隠れて見えない。
道をもう少し上ったところから見れば、かろうじてLEDの光源があることが見て取れる。
「珍しい形の灯台」投票をすれば、優勝しそうなデザインの灯台だった。
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