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鉄道車両に詳しくもない私のイメージでは、キハといえば、別記事で紹介した「非電化路線を『キハ』がゆく①②」(リンクは記事末に掲載)の車両をすぐ思い浮かべる。だから、このあと紹介する3つの車両がキハだとは撮影時にはまったく気が付かなかった。(べるもんたは、そういわれれば・・という外観ではあるけれど)
③は改造された車両のキハをお届けする。
キハ48形 リゾートしらかみ
🚋JR五能線
JR五能線で観光列車として運行されている「リゾートしらかみ」。沿線の観光地を象徴する「青池」「橅(ぶな)」「くまげら」の3編成がある。下の写真はくまげらで、日本海の夕日と白神山地に生息する野鳥のくまげらをイメージした塗装がされている。
キハ40形 べるもんた
🚋JR氷見線
JR氷見線と城端線(ともに富山県内の路線)を走行するのが、キハ40形を改造した「ベル・モンターニュ・エ・メール」、通称「べるもんた」と呼ばれる観光列車だ。
走るギャラリーというコンセプトをもとにした、クラシカルで気品のあるデザイン。キハ40形のもともとの形状とデザインが、とてもよくマッチしているように思う。
キハ143形 SL銀河客車
🚋JR釜石線
冒頭の写真は、遠野駅(岩手県遠野市)に入線してくる、SL銀河だ。SL銀河は、岩手県内の交通公園で展示されていたC58形蒸気機関車を復元し、2014年から花巻~釜石間を運行していた観光列車である。
蒸気機関車が牽引する客車はキハ141系700番台で、50系客車をキハへ改造したものだ。
現在の花巻市出身の宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」をモチーフにした4両の客車の塗装は、花巻側が明るく釜石側が暗いグラデーションになっている。夜明けをイメージした凝った塗装だが、現物を見ているときはまったく気が付いていなかった。
車両ごとに、異なる星座がシンボルとして描かれている。
SL列車は1989年(平成元年)~2004年(平成16年)まで、過去に運行されていたことがある。このときは、D51 498に2両のDE10形ディーゼル機関車を連結した形での走行だった。釜石線の途中にある仙人峠を越えるため、D51単独では力不足という判断からだった。
その後、東日本大震災からの東北復興支援をきっかけに、SL列車が再運行されることになった。当初からC58形蒸気機関車では峠越えが力不足とわかっていたので、前回のように補機を連結するのではなく、客車そのものに動力のあるキハが選ばれた。
なぜ、蒸気機関車が牽引する客車にキハが?という疑問の答えがそこにあった。
残念ながらSL銀河の運行は、2023年6月をもって終了している。またいつの日か、私たちの前に復活してくれる日はくるだろうか。