世界遺産にも認定 圧倒的なスケール感で迫る海外の水路橋
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「水路橋(すいろきょう)」をご存知だろうか。文字の通り、水を運ぶための橋で、「水道橋」「水管橋」と呼ばれることもある。

 日本各地にもさまざまな水路橋があるが、今回は海外の水路橋、特に世界遺産にも認定されている3つの古い水路橋を紹介する。

 

 

 

ポン・デュ・ガール(Pont du Gard) フランス

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ポン・デュ・ガールは、フランス南部に流れるガルドン川に架かる水路橋で、おそらくは世界で最も有名な水路橋だ。Wikipediaによればユゼス(水路橋の北西)からニーム(水路橋の南西)に続く水路の途中にある。

 

 

 

西暦50年頃、日本の弥生時代に建設されたとのこと。本当なんだろうか。いや、本当なんだろうけど。


水路橋は3層構造で、下層は6、中層は11、上層は35のアーチで構成されている。上層にいくに従い、6m→4m→3mと幅が狭くなっている。橋の最も長い部分は275m、高さは49mだ。

 

 

 

下の写真は、夜間にライトアップされたもの。華やかで美しいが、個人的にはこれだけの風格のある土木遺産は、自然なままの姿のほうがより美しいように思う。

 

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ロックファブール水道橋(Aqueduc de Roquefavour) フランス

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ポン・デュ・ガールよりもさらに南にあるのが、ロックファブール水道橋だ。地中海を望むフランスの都市マルセイユに水を供給するマルセイユ運河の一部である。

 

 

 

マルセイユ運河が開通したのが1849年、ロックファブール水道橋も同時期に竣工しているはずなので、172年経過していることになる(2021年現在)。

ポン・デュ・ガールと同じく3層構造だが、高さが倍近くあり見るものを圧倒する。下層は12、中層は15、上層は58のアーチで構成され、橋長は393m、高さは83mある。

下の写真は、水路橋を上部から撮影したもので、水路管のようなものが見える。

 

 

 

 

フランスのWikipediaによると、2020年から耐久性に関する重要な作業が進行中とのこと。44カ月間、何らかの修繕・補強作業が行われるようだ。2021年3月に撮影されたGoogleストリートビューでは、確かに水路橋の一部に作業用の足場が組まれていた。

 

 

 

 

本記事のトップページの写真はロックファブール水道橋だが、アーチの下に鉄道の線路が見える。調べてみると、ベール湖のすぐ東にあるロニャックと、そこから直線で15kmほど東にあるエクス・アン・プロヴァンスとを結ぶ路線らしい。現在は旅客輸送はしていないようだ。

 

マルセイユ運河は、1970年まではマルセイユのほぼ唯一の水源であったと聞く。現在も市内の水の3分の2をまかなっており、ロックファブール水道橋も重要な役割を果たしている。

 

 

 

ポントカサステ水路橋(Pontcysyllte Aqueduct) イギリス

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イギリス・ウェールズ地方にあるポントカサステ水路橋は、専用船の航行が可能な水路橋である。

 

 

 

1805年に建設され、すでに200年以上経っている。橋長は307m、高さは38m、幅は3.4mで、水路の深さは1.6mある。石造りの橋脚は19本あり、内部は空洞となっている。上部にある鋳鉄製の溝形の部材は、アーチ型の部材によって支えられている。

 

 

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上の写真にある赤い船は、ナロウボートと呼ばれる狭い運河にあわせて設計されたもの。片側の道は人の通行も可能で、曳舟道(ひきふねみち)とも呼ばれる(曳舟道とは機械・動物・人間などが船をけん引するための道)。

 

 

下のドローン撮影による画像では、ディー川に架かる水路橋の全体像がよくわかる。 

  

 

 

日本の熊本県にある通潤橋(つうじゅんきょう)のように、このポントカサステ水路橋でも一定の条件下で下を流れるディー川に放水することがあるという。

その様子は、下の動画からどうぞ。

 

 

 

 

次の記事では、岩手県にある水路橋を紹介したい。今回紹介した世界遺産クラスの水路橋に比べれば、小粒ではあるが、それはまたそれで味のある水路橋なのだ。

 

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