「大きなドラム缶の上に小さいLED灯」高茂埼灯台の癒される姿

 

ナギヒコさんから寄稿していただいた記事です

到達:2026年4月
難易度:■□□□(入門)

「ドラム缶みたい」。なぜこんな太い円筒形なのか。そしてその上にちょこんと乗った小さなLED灯。高茂埼灯台(こうもさきとうだい、愛媛県愛南町)は癒されるフォルムが特徴的だ。

 

四国西側の海岸線は多くの半島や島があって複雑な形をしている。島のように見えるが実は地続きである三浦半島(または蔣淵半島:こもぶちはんとう)、島が一つなのか二つなのかわからない日振島、付け根から先端までの道のりが20km以上ある由良岬など。

なお由良岬灯台はクルマをとめてからも灯台まで2時間ぐらいかかるようなので、「難易度上級」と判定し、行くのをあきらめた。

(国土地理院)

そして高茂埼灯台のある高茂岬も、愛媛県南西端にある愛南町の中心部からクルマで20kmほど走る必要がある、“果て“といえる場所だ。

(国土地理院)

上掲の地図の右端、愛南町中心部から船越までは、比較的カーブの少ない、走りやすい道ができている(2006年までは西海有料道路だった)。

船越から高茂岬までは、海に近い曲がりくねった道を西回り(左回り、県道34号、約12km)か東回り(右回り、県道300号、約18km)で向かうことになる。

カーナビは東回りを指示したが、距離が短いので西回りを選んだ。ところが分岐を過ぎてからもUターンして東回りで行け、という指示が出続ける。だいぶ進んでから、カーナビはようやくあきらめて西回りを指示するようになった。

2つほどの集落を過ぎると山道になり、対向車とすれ違えるかどうか微妙な道幅が続く。道路の工事箇所があった以外、対向車は1台もなかった。

高茂岬からの帰りに、反対の東回りを通ってみて、カーナビの気持ちがわかった。福浦湾に面した福浦という集落は比較的大きく、ここから船越まではセンターラインがあるようなちょっと広めの道だ。この区間はわりと走りやすい。ただし、対向車もそこそこある。

ただ、高茂岬から福浦までは、西回りの道と大差ない。道の走りやすさと距離(所要時間)を勘案すると、東回りにする利点はあまりないように思う。

 

というわけで、船越から西回りで20分ほどで高茂岬の駐車場に着いた。きれいなトイレもある立派な駐車場だが、ほかにクルマはない。

北西から西にかけての海がよく見える。中央にあるいくつかの小島の少し左は、方向的には鶴御埼灯台(つるみさきとうだい、大分県佐伯市)がある場所だが、残念ながら見えなかった。

灯台へは、駐車場の南の道をおりていく。

すると、だだっぴろい広場がある。

ここ、第2次世界大戦時につくられた海軍の兵舎跡だそうだ。南から豊後水道に進入する敵艦船を警戒するためだったが、活躍の機会はなかったのではないかな。なお、案内板中の「西海町」は2004年の合併により愛南町になっている。

そういう施設がつくられるのももっともなほど、ここは見晴らしがいい。

南方向には2つの島が見える。手前(右)が鵜来島(うぐるしま)、その向こう(左)が沖の島(おきのしま)だろう。

鵜来島には鵜来島灯台、沖の島には土佐烏帽子埼灯台と土佐沖ノ島灯台(四国最南端の灯台)があるのだが、宿毛からの定期船が1日2往復なのでちょっとハードルが高い。

これは南西方向、まさしく豊後水道の入口を見ている。

30mほど下におりていく道があるが、海岸までおりられるわけではない(まだ標高100mぐらいある)。だ~れもいない。

さらに西に目を向ければ…。もう灯台が見えた。なんだかずいぶん太くて背が低い。

先人のみなさんの情報では、この先は森の中を進んでいくとのことだったが、歩道に沿って森が半分伐採され、遠くからでも灯台が確認できた。

灯光が伸びた木でさえぎられないように、とも考えられるが、伐採箇所からすると、灯台があることを公園に来た人に気づいてもらうためのような気もする。

 

高茂埼灯台に到着。駐車場から5分ぐらい。1950年(昭和25年)11月に初点灯、1992年1月に改築。

それにしても灯台としては面白い形だ。改築時にこうなったのだろうが、太くて低く、比率的にドラム缶を思わせる。遠くから見えたとしても、多くの人は灯台だと思わないのではないか。

改築当初はこの太さにふさわしい、大きな灯籠があったんだろうか。だとしたら、この小さなLED光源になったことで、かなりアンバランスな感じになった。

反対側の柵に切れ目がある。Googleストリートビューによれば、突端の海岸までおりていく道が(さらにロープも)あり、命知らずの釣り人が使っているようだ。

ちょっとだけさがって、後ろ姿(船からすればこっちが正面)を写す。

駐車場に戻るときの風景もなかなかいい。ほかにだれもいなかったこともあり、人間の営みから隔たった場所だという実感が湧く。

駐車場に戻ったら軽トラが1台いて驚いたが、工事の人がトイレに来ていたのだった。

 

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