

到達(できず):2026年4月
難易度:■■■□(中級)
引出鼻灯台(ひきではなとうだい、愛媛県宇和島市)へは、すぐ近くに見える場所まで行けたのだが、最後に大きな岩に阻まれた。行けるかどうか微妙なところだったが、安全を優先し、到達をあきらめた。いままでで一番“惜しい”クエストだった。
宇和島港は正面にある九島(くしま)によって外海から守られている、非常に恵まれた港だ。宇和島港にはいるには九島の北側か南側を通ることになる。そのとき北側なら引出鼻灯台、南側なら堂埼灯台(どうさきとうだい、愛媛県宇和島市)がその目標となる。

宇和島港(宇和島新内港)や宇和島駅から、引出鼻灯台に向かってクルマで10分ほど行ったところに「覗き岩」という地続きの小さい島がある(上掲地図の「遊園地跡?」という場所)。
ここには赤松遊園地という施設があったようで、2020年のGoogleストリートビューには廃棄された建物も写っている。ただ、2024年のストリートビューでは建物がすでになく、現在は竜宮城を模した建物だけが残っている。この赤松遊園地跡を目指して向かい、その少し先にクルマをとめた。
カーブを描く海岸線の向こうに、すでに引出鼻灯台が見えている。

この先も海岸沿いに舗装道が続いているのだが、Googleストリートビューで見るとずっとクルマ1台の幅しかなく、すれ違える場所がない。もしものことを考えて、ここからは歩いていくことにした。

実際、このあとすぐに軽トラとすれ違った。このままクルマを進めていたらにっちもさっちもいかないところだった。
そのほかにも途中に軽トラが1台、自転車が1台とまっていた。帰りに自転車の持ち主の男性と少し話をしたが、このあたりでは、以前ほど盛んではないものの、山の斜面でみかん栽培が行われているという。つまり農作業用の軽トラの行き来があるわけで、やはり覗き岩から先は歩きで行った方がいいだろう。
そしてひたすら舗装道を歩いていく。多くの灯台は最後の最後で「見えた!」となる。そこが灯台クエストの醍醐味なのだが、引出鼻灯台は逆に「ずっと見えている」という珍しいパターンだ。

10分ぐらい歩いて振り返ると覗き岩がきれいな小島の姿をしていた。写真右端は九島につながる九島大橋。写真左にはとめたクルマが小さく見える。宇和海はとにかく水面が穏やかなのが印象的だ。

山にのぼっていく道にははっきりとわだちがあり、日常的に車の通行がある道路であることがわかる。ここは海岸沿いの左の道を行く。

舗装道の終わりが見えてきた。正面には小屋やビニールハウスなどがあって、ビワの木には袋がかぶせてある。いまだ現役の果樹栽培地なのだ。

階段をおりて、ここからは波打ち際を歩く。

フジツボ(?)の付き方やコンクリートの色からして、満潮時には堤防まで全部水没するようだ。この日の宇和島の干潮は16:34で、現在はその1時間前。
岩に付着したフジツボは、靴が滑るのを防いでくれる点でありがたい。ただ、岩に手をつくこともあるので軍手は必要。

相変わらず目指す灯台が見えている、というのもいいものだな。

干潮のタイミングで、岩場や砂浜を越えていく、というのは、松切鼻灯台(まつきりはなとうだい、大分県佐伯市)と同じ感じだ。

松切鼻灯台は到達直前で垂直なはしごに阻まれたが、引出鼻灯台はそういうことはなさそうだ、と思っていたのだが…。
おそらく最後となる大岩が越えられなかった。

次の一歩を置く岩が、1mぐらい下(あとからの印象なので正確ではない)にあるのだ。この写真は、上から下を覗き込むような角度で撮ったものなので、いま見るとその場の危なさ加減が感じられないな。

上面が平らならまだしも、けっこう角度がついているので飛び降りる気になれない。しかもこの岩でバランスを崩すとさらに下に落ちてしまう。
もっと重要なのは、帰る際に今度はこの高さをよじのぼれるか、ということだ。この確信が持てない。この直前に日振島灯台で1時間の大冒険をして体力を使ってしまったことも、影響しているかもしれない。
“断念するのは惜しい”という意欲も大事だが、その場における“行けるかどうか”の感覚は尊重しなければならない。安全に行き帰りしてこその灯台クエストであるという観点から、ここで引き返すことにした。歩き始めてから約30分が経っていた。
次の写真(冒頭と同じもの、いくつも写真を撮る余裕がなかった)は3倍にズームしたので、実際にどれぐらいの距離だったのかもはっきりとはわからないが、あと30mぐらいだったのではないか。

というわけで、今回は「根元まで到達できなかった」話だ。途中までの難易度は中級で、そこそこ楽しめたとは言えるが。










