15分近くの連続上りがキツい市江埼灯台

 

ナギヒコさんから寄稿していただいた記事です

 

到達:2024年4月
難易度:■■□□(初級)

 

 市江埼灯台(いちえさきとうだい、和歌山県白浜町)への道は、15分ぐらいずっと上りが続く。これがなかなかキツい。

 

 国道42号から市江港に向かう1車線の道に入りしばらく行くと、市江川の対岸に渡る橋(市江1号橋)が見えてくる。その少し手前、ちょっとだけ道が広いところにクルマをとめられる。

 以前の写真とは道の幅と欄干が違う感じ。近年架け替えられたのか。

 橋の途中から市江港を見る。いまは水が少ないが、雨が降ればかなりの水量になるのだろう。右の山の先端近くに灯台がある。

 橋を渡った先、灯台への案内は何もないが、道は一本だけだ。

 

 コンクリートまたは石の上り坂が続く。左は石垣、右は水のない水路だ。

 石垣も路面も緑の苔で覆われている。結構頻繁に水が流れ下り、その後湿った状態が長く続くのかもしれない。

 石積みの堰が何段もあり、倒木も多い。その横をひたすら上っていく。

 かなり息が上がってきたところに追い打ちをかけるように、勾配が急になる。なぜかピンクのリボンがたくさんある(次の写真では4つ)のだが、路面の舗装は続いているし、道は間違いようがない。なんのためだろう。

 途切れのない上り坂なので、ひと息入れるきっかけがつかめないが、たまらずに立ち止まる。

「まだ上りが終わらないのか」と音を上げたところに、さらに急角度のつづら折り。くうう。

 何も考えられない。無の境地。

 

 もしかして、てっぺん?

 上り坂が終わった! 橋を渡ってから、水平距離300~400mで高低差90m以上を上ったのだ。15分ぐらいだと思うが、ホントにきびしかった。

 このあとは緩い下りだが、帰りのことを考えると憂鬱になる。

 結局、ここまでの大部分が舗装されていた。左に石垣があり、ちょっとした平地がある。畑の跡だろうか、それとも家?よくわからない。

 灯台の敷地らしきものが見えてきた。

 

 ようやく市江埼灯台に到着。クルマをとめてから20分ぐらいか。時間だけ見るとたいしたことがないようにも思えてしまうが、なかなか大変な道中だった。

 延々と続く上り坂を15分ぐらいのぼる、という点では、立石岬灯台(福井県敦賀市)と近い。

つい見に行ってしまった立石岬灯台の「かっこよさ」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63066

 ただ、坂を上り終えて灯台が見えた瞬間に感動した立石岬灯台に対し、市江埼灯台はその感動が薄かった。

 上り坂の終わりからもう少し道があった、天気が今ひとつで青空でなかった、塗装が少しはげて全体に暗い感じがあった、などもあるが、やはり一番は灯台そのものの魅力じゃないだろうか。到達までの苦労は似ているとしても。

 

 灯塔もバルコニーも八角形のコンクリート造。初点灯は1921年(大正10年)。なかなか端正な姿だとは思うが…。

 灯台の正面は、だいぶ広範囲に木が伐採されていた。海まで少し距離があるので、木が伸びて灯光をじゃましやすいのではないかな。

 灯台を半周して反対側に行く。

 別の道があった。市江港の向かい側にある「市江崎荘」付近に下りていく道かな。市江崎荘は今回電話をかけたけど誰も出なかった。最近営業をやめたのかもしれない。

 官舎(退息所)があった場所への階段もある。

 道の舗装だとか、リボンだとか、石垣のある平地だとかを見ると、以前は灯台以外に頻繁に人が訪れていたのだろうか。いまは静まり返った殺風景な場所になっているが。 

 

(国土地理院)

 

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