ナギヒコさんから寄稿していただいた記事です
到達:2024年4月
探検度ゼロ
パシャパシャと雨が降る夕方近く。梶取埼灯台(かんとりさきとうだい、和歌山県太地町)は、すでに点灯して出迎えてくれた。
「梶取崎(Kajitorizaki、かじとりざき)」という看板のある駐車場にクルマを止める。灯台名は「かんとり」と微妙に違うが、どっちが正解というものでもないだろう。
駐車場から海に向かって歩き出せば、すぐに梶取埼灯台が見えてくる。
あたりはすでに薄暗く、すでに灯火が点灯していた。「雨の中、よく来たね」と灯台が言ってくれている気がした。
手前の広場はきれいに芝生が手入れされている。
上の写真は失敗して、風見鶏が切れてしまった。というか、“風見どり”ではなく、“風見くじら”だ。さすが、捕鯨の町太地(たいじ)だけのことはある。
捕鯨の船のために、江戸時代から灯明台が設置されていたこともあり(ただしここから少し離れた場所)、西洋式灯台も比較的早い1899年(明治32年)に造られた。
灯台の海側には下りの階段があり、先の岬にまで行けるようだ。
岬には「古式捕鯨梶取崎狼煙場跡」という碑があった。捕鯨の船に向けたのろしを上げる場所だったということだ。
この柵の左に少しすき間があり、さらに先に下りていく道っぽいものがある。釣り人かな?
そして、この岬から灯台を振り返る。さっきはやさしく語りかけてくれている気がしたが、海側は厳しく仕事をしている表情に見える。
探照灯があるからなのか、ほかであまり見かけない、四角い出っ張りがある。これも“仕事人”風でいい。