幻の貨物線 安比奈線を歩く その1

鉄道にはまったく詳しくないけれど、古い鉄道の線路や建築物の残骸、いわゆる遺構に心惹かれる今日この頃。
今回は、50年以上前、貨物線として利用されていた西武鉄道安比奈(あひな)線の路線跡を訪ね歩いた。

安比奈線は、現在の西武新宿線 南大塚駅と入間川沿いにあった安比奈駅(現在は廃止)を結ぶ貨物線として、
大正14年(1925年)に開業した。
先だって紹介した入間川沿いの鉄道遺構(西武池袋線・東武東上線)のおよそ10年ほど後になる。

入間川の土砂を運ぶために作られた路線だが、稼働していた期間は38年ほどである。
昭和38年(1963年)に安比奈線はいったん休止という扱いになったが、平成29年(2017年)に廃止が決定された。
以前は架線柱なども残されていたようだが、廃線から2年たった現在では残るのは線路跡のみのようだ。

線路のみとはいえ、4km弱にわたり続く赤錆びた線路は、なんとも魅力的である。
埼玉のうだる暑さの中、安比奈線跡はどんな顔をみせてくれるのだろうか。

 
google mapでは、いまひとつ路線の場所がよくわからない。
航空写真にしたほうが、住宅や畑をぬうように路線が続いているのがわかる。
下の地図では、よりわかりやすくするために、オレンジ色の点を追加した。
南大塚駅北口を起点に、ゆるやかに反時計回りに弧を描いて、入間川沿いの安比奈駅まで続く路線跡がおわかりいただけるだろうか。

 
 
スタートは南大塚駅。時刻は午前7時である。
すでに気温は28度ぐらいあるが、多少の風もあるので思ったほどは暑くない。

写真1

 
北口に向けて駅の階段を降りたあとは、ホームに沿って歩くと、
すぐにソレらしきものが目に入る。

写真2(場所①)

 
100mほど歩くと、道路を横断する線路がみえてきた。

写真3(場所②)

ここで来た道を振り返る。
道沿いからは見えなかった線路がしっかりみえる。

写真4(場所②)

 
再び、道路を横断して続く方向をみる。
勢いよく続くとみられていた線路は、ぶっつり途切れている。
え?こんだけ?と思いつつ、どうやらこの先は地面の上でみえつ隠れつといった状態のようだ。

写真5(場所②)

  
どの場所で写真を撮ったかわかりやすくするため、下の地図に撮影場所を番号で記載。
写真のキャプションにその場所の番号を併記した。
なお、薄いオレンジの線が、およその路線跡である。

 
 
駅に近いため、住宅がぎっしりと立ち並ぶ中を、安比奈線の線路は通り抜けていく。
土地の事情を知らなければ、細長い空き地がただあるだけのようにも見える。
とはいえ、やはり「何か」があったんだなというオーラはでているのだけれど。

写真5(場所③)

 
まもなく行く手に国道16号線がみえてくる。

写真6(場所④)

 
左手には丸亀製麺川越店。開店は午前11時からだから当然閉まってる。

写真7(場所④)

 
線路と16号が交差する場所、線路がみえるのは歩道まで。
さすがに道路上はアスファルトで覆ってるみたい。

写真8(場所⑤)

南東方向に振り返る。うっすらと線路がみえる。たぶん雑草が枯れてきたら、もっとはっきり見えるのだろう。
管財部の「立入禁止」看板が威圧的に主張してくる。
はいはい、もちろん、中には入りません。そこは守らなくちゃいけないルールですからね。

写真9(場所⑤)

国道16号を越えて続く線路。
「横断禁止 わたるな危険」の看板が目に付く。
 
渡るんだろうな。横断歩道がずっとずっとずっと先だもの。
 

写真10(場所⑤)

 
 
この先、線路沿いの道が途切れているので、少し右に迂回する。
ちょっとわかりにくいんだけど、上の写真で「立入禁止」の看板の右横に小さな柵が見えるだろう。
迂回したあとは、あの柵の右側にでてくるのだ。
 

下の写真、ひしめく住宅街の中をねじこむような狭い道。
 

写真11(場所⑥)

 
進行方向の左手、南方向にさきほど通過した国道16号線がみえる。
あぁだんだん暑くなってきた。
住宅街で、これだけ雑草生い茂りまくってしまうと、何かと問題がありそうだな。

写真12(場所⑥)

進行方向右手、もう線路はどこにも見えず、ただの原っぱと化している。
線路は足元にひっそりと見えるのみ。
でも、こうやって土に埋もれる線路の上にたつと、
50年前の貨物列車の振動が伝わってくるような気がする。暑さゆえの錯覚だけど。

写真13(場所⑥)
写真14(場所⑥)

 
 
引き続き、北西に歩を進めて、入間川街道にぶつかる。

写真15(場所⑦)
写真16(場所⑦)
写真17(場所⑧)

 
 
なんだか、えんえん雑草生い茂る空き地を見せ続けられて、飽きてきたなと思うみなさん。
大丈夫です。住宅密集地はだいたいここぐらいまで。
どなたかが書かれていましたが、安比奈線は短い区間の中で、景色が激変するのが特徴。
激変はちょっと大げさかもしれないけど、このあとはまた違った風景に変わるので、「その2」をお楽しみに。

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