到達:2024年4月
難易度:■■□□(初級)
江須埼灯台(えすさきとうだい、和歌山県すさみ町)がある江須崎は、歩いていけるものの、「ほぼ島」と言っていい。次の地図を見ればわかるが、かろうじてつながっている、という状態だ。
その“島”の植物は天然記念物に指定されていて、あるのは森と神社と灯台だけ。静かな時間を過ごせるのだが…。
クルマは日本童謡の園公園の広い駐車場に止める。トイレもある。
駐車場の奥にある“童謡の散歩道”を進む。
人間の気配をセンサーが感知し、流れるいろいろな童謡を聞きながら歩いていくと、突き当たりに急な下り階段がある。
これをおり、ちょっと堤防を歩くと、江須崎への入口だ。この写真を見れば、「江須崎はほぼ島」というのがわかると思う。植物・動物環境としてかなり閉じた場所なのだ。
コンクリートの道は途中で小さい水路を渡る。これ、水路というより本土と島を分ける“海峡”なのでは?
江須崎に渡るとすぐに、春日神社の鳥居があるので挨拶してくぐる。
しばらくはコンクリートの道を進む。右に、神社に上る階段があるがパス。
ここで舗装が途切れる。まあ神社のための道だからね。いっぱい杭があって一瞬立入禁止かと思うがそうではなく、「ここは天然記念物なので通路以外に入るな」という緑の案内を読ませるためのものではないか。車止めでもあるだろうが、そもそもここまで入ってくるクルマは地元関係者だけだろう。
杭の間を抜けて先に進む。
道に木が倒れかかっているが、撤去していないのか、それともあえて自然のままにしているのか。
駐車場から15分、島に渡ってから10分ぐらいだろうか、灯台が見えてきた。
灯台の真ん前に木が生い茂っているので、全体像が見えない。
木をよけるとこんな角度になってしまう。
付近をうろついたが、これ以上灯台の姿を写せる場所がなかった。島が天然記念物に指定されているということは、海上を照らす灯光をさえぎることでもない限り、周囲の木を伐採することはないだろう。今後灯台の姿はますます見えづらくなっていきそうだ。
灯台の先は切り立った崖だ。紀伊半島南部にある灯台からの景色は、どこも海岸近くに岩が顔をのぞかせているような気がする。潮流だけでなく、この岩場がこの海域を難所にしているんだろうな。
全体像の写真をうまく撮れないまま、引き返すことにする。
帰り道、よく見ると途中で道が分岐していたので、そっちの道を通ってみる。どこにでもあるような森のように思えるのだが、今の日本では“どこにでもある”わけではなくなっているのかもしれないな。
しばらく歩くと春日神社の境内に出た。
保護された植物と回遊するいくつかの通路、森に囲まれた神社しかない、“ほぼ島”という閉ざされた空間だから味わえる静けさがあった。
灯台の景観という点ではいまひとつ残念ではあったけど。