若松洞海湾口防波堤灯台と台場鼻潮流信号所の距離は約2.3km、互いが見えるか

 

ナギヒコさんから寄稿していただいた記事です

到達:2025年12月
難易度:到達不能、■□□□(入門)

今回取り上げるのは若松洞海湾口防波堤灯台(わかまつどうかいわんぐちぼうはていとうだい、福岡県北九州市)と台場鼻潮流信号所(だいばはなちょうりゅうしんごうじょ、山口県下関市)だ。

灯台クエストでは基本的に防波堤灯台以外の灯台(沿岸灯台)だけを探訪しているのだが、今回上記の2カ所を取り上げるのは、「海域」を考えるうえで重要な役割を持っているからだ。

領海及び接続水域に関する法律施行令(領海法施行令)では、瀬戸内海の西端を
竹ノ子島台場鼻(北緯33度57分2秒東経130度52分18秒)から若松洞海湾口防波堤灯台(北緯33度56分28秒東経130度51分2秒)まで引いた線
としている。

2カ所の南端を灯台で規定しているのに、西端の竹ノ子島台場鼻だけ灯台でないのは、1900年4月に初点灯(1979年10月に改築)した台場鼻灯台が、2009年2月に廃止されたからだ。

緯度経度だけではどこだかが確認しにくいので、台場鼻灯台と同じ敷地内にある台場鼻潮流信号所(潮の流れ速さや方向を示す電光表示板、関門海峡にはほか2カ所にある)を訪ねることにした。

 

2カ所の距離は約2.3km。十分に目視できる距離だ。それぞれの場所から互いを見てみようと考えた。

(国土地理院)

まず若松洞海湾口防波堤灯台に向かった。工場が建ち並ぶ広い埋め立て地の突端に、何台かクルマをとめられるスペースがある。そこから海岸沿いに約800m、そこから堤防を約550m歩けば灯台に到着する。海のど真ん中にある防波堤を550mも歩けるかどうかが心配だが、行ってみないことには始まらない。

ところがなんということだ! ここから先には行けなくなっていた。左右に立ち入れないようにした柵がある。何人かの釣り人さんたちは、柵の間、幅50m程度の場所で釣をしていた。

「防波堤を歩けるか」なんていう心配は意味がなかった。若松洞海湾口防波堤灯台は、上の写真のように、遠くにうっすらと見えている。これでよしとするしかない。

ここから灯台までの直線距離は約1.2km。安いコンデジなので、光学ズームとデジタルズームを駆使してもこれが精一杯。

ところで、灯台の左右に2本の黒い縦棒が写っている。これ、人じゃないか? 釣り人の可能性があるけど、どうやって行ったんだろうな。まったく釣り人の探検力には驚かされることが多い。

立ち入り禁止の柵には壊されたと思える箇所があるし、「探検力がある」と称賛するだけにはいかない面はありそうだが。

 

では対岸の台場鼻潮流信号所はどこだ? なんとか1枚の写真に収められた。左の赤丸が台場鼻潮流信号所、右の赤丸が若松洞海湾口防波堤灯台。この2つを結ぶ線が、領海法施行令における瀬戸内海の境界だ。

電光表示板をがんばって拡大した。現在は流速を表す「5」(単位はノット)が点灯している。

 

次に、この台場鼻潮流信号所に向かった。

下関市街の南西端にある彦島は、島とはいうものの、3本の橋で下関市街とつながっているし、両者の間は川のように狭い。一つの橋の部分は閘門になっている(その上の橋は可動橋)し、本土とほとんど陸続きであると言っていい。

その彦島(写真左)から、これもまた短い橋(竹ノ子島橋)でつながっているのが、台場鼻潮流信号所のある竹ノ子島(写真右)だ。

橋を渡り終えた竹ノ子島の風景。

細い路地を抜けると、左の高い鉄塔の右に、電光表示板の上半分が見えてきた。

舗装道路が終わり、畑の中の道を進む。

ビニールハウスを通りすぎるとちょっとした山道になり…。

台場鼻灯台があったと思われる敷地に到着した。

 

台場鼻潮流信号所はこの写真の右手にある。さすがに電光表示板を近くで見ると大きい。周りが明るいので見えにくいが、「W」の字(西へ流れる潮流であることを表す)が点灯しているようだ。

そして対岸はというと、植物の葉や枝で隠されてしまっている。

かろうじて若松洞海湾口防波堤灯台の赤い色が見える場所があったが、うまくピントが合わなかった。写真中央にある赤いぼんやりしたものがそうなのだが…。

というわけで、若松洞海湾口防波堤灯台と台場鼻潮流信号所から互いを見る、という試みは不完全燃焼で終わった。

なお、瀬戸内海の西端を別の場所としている法令もある。その一つがこちら。

 

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