

到達:2025年12月
難易度:■□□□(入門)
妙見埼灯台(みょうけんさきとうだい、福岡県北九州市若松区)から見る響灘(ひびきなだ)の眺めはみごとだ。灯台のすぐ周りに木や草がほとんどなく、白と青のコントラストが際立つ。
灯台がある場所は、妙見崎よりも遠見ヶ鼻(とおみがはな)と呼ばれることが多いようだが、それも納得してしまう風景が広がっている。

妙見埼灯台に行くときの一番の課題はクルマの駐車場所だ。徒歩道の入口近くは駐車禁止の表示がいたるところにある。駐車しようとする多くは釣り人だろうか。
Googleストリートビューでは、近くの漁港に何台かとめられそうな場所があるのだが、2024年の画像では道路が造り替えられて駐車できなくなっている。
結局、国道495号から遠見ヶ鼻へ向かう道に入ってすぐのところにある有料駐車場が、唯一の選択肢だと思う。

数分歩くと「亀の井ホテル玄界灘」というホテルに行き当たる。温泉の日帰り入浴ができるので、それを利用する手もある。同ホテルのWebサイトには、妙見埼灯台の周囲がよくわかる上空からの写真があり、一見の価値がある。

ホテルの前を右に曲がる。ここ、絶対とめたくなるよね。

突き当たりで舗装道路が終わる。鳥居をくぐって右に行くと御嵜(みさき)神社、灯台へは「密漁禁止」の看板の左から向かう。

やや下りの道は、舗装してあって歩きやすい。

しばらく行くと森を抜け、灯台の頭が見えた。

妙見埼灯台に到着。初点灯は1966年3月。当時としては標準的な形ではないかな。光源がLEDになってしまっているのは残念。

灯台を反対側から見るとこんな感じ。

灯台付近に木や草がないのは、「ストーム堆積物」と呼ばれるオレンジ色の岩に立っているからだ。浅い海だった遠見ヶ鼻付近では、ときどき起こる嵐(ストーム)による荒波で海底が起伏のある形になり、できあがったということらしい。

航空写真でこの付近を見ると、海岸付近の岩がすべて同じ方向を向いている。地形に詳しくないのでこれ以上触れられないが、遠見ヶ鼻付近の地形は結構興味深い感じがする。灯台は中央よりやや左上、ホテルはその下の緑色の屋根。

灯台より左側(西側)は響灘および玄界灘の広い海が広がっている。一方右側(東側)は海上風力発電の風車がいやでも目に入ってくる。その先に見えるのは白島(しらしま)の男島(おしま)で、白島石油備蓄基地がある。

さらに東方は、響灘から関門海峡に至る海域で、藍島、馬島、六連島(六連島灯台がある)などいくつもの島がある。だが灯台観点で重要なのは、小さな白州岩礁に立つ白州灯台(しらすとうだい、福岡県北九州市小倉北区)だろう。

白州灯台は、1873年(明治6年)に木造灯台が完成し、1900年(明治33年)に上部鉄造・下部石造に改築された。構造的には1897年(明治30年)に初点灯した掛塚灯台(かけつかとうだい、静岡県磐田市、上部鉄造・下部コンクリート造)と近い。
通常の手段で白州に行く方法はないので、約4km離れた埋め立て地(福岡県北九州市若松区)から撮影した。コンパクトデジカメなので、これが精一杯だ。

妙見埼灯台はこれで終わりだが、徒歩道の入口にあった御嵜(みさき)神社も気になるので行ってみた。鳥居をくぐって石階段を下りていくと途中に気合いの入ったデザインの「遠見ヶ鼻休憩所」がある。ベンチに座っても海が見えるわけではなく(トイレはある)、なぜこんな立派な施設を作ったのか、よくわからない。

さらに坂道を下ると御嵜神社が見えてくる。元は灯台の場所にあったのが、ここに移設されたらしい。言い伝えは何カ所かに書いてあるので、それを参照してほしい。

この神社がユニークなのは、もう一つ、海岸から神社に向かうところにも鳥居があることだ。

現状では海岸から神社に向かう人はいない(はずだ)が、2つの参道がある点がなかなかおもしろい。









