到達:2024年6月
難易度:一応■■■□(中級)
土が流れ込んで道と斜面の区別がなくなっているところがあるので、滑り止めのアイゼンを持っていくことをオススメする。さらに途中で道を見失って、5分ほど森の中をさまよってしまった。同じときに行った釣島鼻灯台もすごかったが、同じく上級と言ってもいい高い難易度だった。
紀伊宮崎ノ鼻灯台(きいみやざきのはなとうだい、和歌山県有田市)は、紀伊水道から友ヶ島水道に至る海域における、和歌山県側の主要な灯台だ。
宮崎ノ鼻灯台がある宮崎ノ鼻は、有田川の河口の南側だ。有田市箕島の近く、と言った方がわかりやすい?
クルマで行けるのは、海水浴場がある女の浦(めのうら)まで。この日は何組かのグループが遊びに来ていた。
海水浴場の防波堤を、行き止まりまで進む。灯台の方角はだいたいこの正面あたりだ。
突き当たりにはちゃんと案内があり、指示通り左に行く。
道はジグザグするが、灯台の方向を意識すれば、あまり迷わないだろう。
この坂をのぼると、左手が墓地、右がのぼり口だ。
のぼり口からは普通の山道だ。
勾配はそれほど大きくない。
帰るとき、このへんでウェディング写真を撮っている人たちがいた。なかなかおもしろいが、女性はドレスでここまでのぼってきたんだろうか。
歩き出して10分ぐらいか、視界が開け、気持ちのいい場所に出た。
右手(北側)は船越の浜という名前が付いていて、砂浜までおりていける。灯台へは、左から斜めにのぼる道を進んで、ずっと先の方だ(ここからは見えない)。まだ遠いな。
左手は荒々しい岩があって、名前は荒越の浜。いいネーミングだ。船越にも荒越にも数人が遊びに来ていた。
女の浦を経由せず、南側から「狼煙場」を経由してくる道(案内板の下方向)もあるが、歩く距離は長い。そして、この先(案内板の左方向)は灯台しかない。
正面に見えるのが沖ノ島で、かすかに下津沖ノ島灯台が見える。
灯台に行く途中で、これだけすがすがしい場所があるのは珍しい。ちょっと堪能したら、いよいよ灯台への道に踏み込もう。
ここから先は案内板はないし、人はいないし、道は荒れている。
さっそく、木が倒れていた。
左が山、右が海という位置の道が続く。山を右から回っているんだな。
山側から土が流れてきて、路面が水平ではなくなっている。
向こう側にも赤いリボンが見えるから、この木はくぐる、ということね。
もう、道と斜面の区別がつかない。道であるのはわかるけど。滑らないように、ゆっくりと慎重に歩く。
この先、こういう場所がどれぐらいあるのか。滑り止めのアイゼンを持ってきているのだが、迷いながら結局付けないままだった。これから行く人は、もう少し手前から付けるのをオススメする。船越・荒越を過ぎたところからでもいいと思う。
帰りにアイゼンを付けたら、やっぱり少しラクだった。それでも体重が足の谷側にかかるのがキツくて、すたすた歩く、というわけにはいかなかったが。
木が根こそぎ倒れていた。またげないし、くぐれない。仕方がないので、根元を回り込む。
倒木を越え、さて道はどっちだろう? 写真の正面方向に歩いてみたが、違う感じ。あたりをうろうろしてみたが、「これが道かも」というところが見つからない。
そして、道をまったく見失ってしまった。下草がないので、森の中は歩けないことはないから無理やり進む。
ただ、どっちの方向に進めばいいかがわからなくなってきたので、GPS機能をオンにしてGoogleマップを見てみた。「精度が低い」というアラートが出ながらも、現在地と灯台の方向はわかった。次の写真の左方向、山をのぼっていくのだ。
もう戻ろうにも来たルートがわからないので、道か灯台を見つけるしかない。
斜面を左から回り込んだら森を出て、道っぽいものがあった!
電柱もあるし、これでいいみたいだ。よかった、道が見つかった。道がわからなくなってから10分は経っていないと思うが、記憶に残る充実した(と言うべきか?)時間だった。
道の反対側を見る。左の茂みから出て来たのだが、道は右からのぼってきている。どこかで右(北)にそれてしまったようだ。
快適としか言いようがない道。
と、真下に紀伊宮崎ノ鼻灯台が現れた。女の浦から約40分、なかなか大変だった。
木に隠れて全体が見えない。かろうじて、上半分が見えるところがあった。
階段をおりるが、敷地は狭い。
足元から見上げる以外に撮る方法がない。
ちょっとだけ海が見える。この先に四国があるのだろうが、さすがに見えないか。
では引き返すことにしよう。
さっき、道に合流したところを過ぎて、振り返ったところ。ここは道だとわかる。
さらにくだって森の中に入ると、道が少し怪しくなる。赤丸内に赤リボンはあるのだが。
振り返って、正しく道を来たらどう見えたかを確認。これはちょっと、道かどうかの自信が持てないかもしれないぞ。
さらにくだる。この先、どっちへ行けば? つるに赤リボンが付いている先を左に曲がるのだった。
すると、さっき道を見失ったところに来た。もう一度行きと同じ写真を見てもらおう。この先は、左上に行かなければいけなかったのだ。これはわからないよ。
写真には写っていないのだが、左上をよく見ると、さっきのつるに付けられた赤リボンがかすかに見えた。それに気づいていたら迷わなかったかもしれないが、遠すぎて普通は気づかないだろうなあ。
今後、紀伊宮崎ノ鼻灯台に行く人は「根こそぎ倒れた木を過ぎたら、道は左上、遠くにある赤リボンを探す」といいだろう。
このあと、帰りは斜面になってしまった道を通らなければいけないので、遅まきながらアイゼンをスニーカーに装着。前述したように、行きから付ければよかったよ…。
しばらくして、のぼってくる女性に遭遇。先に灯台しかない道で、ほかの人に出会うなんて初めてかも。道の注意点を伝えたけど、迷わないで行けたかな?
船越・荒越まで戻ってきた。苦労したあとのこの風景はいやされるな。
女の浦までの帰りは約30分。道に迷わなかったし、アイゼンを付けて少しは速く歩けたはずだが、行きより10分短いだけだった。