鮫角灯台は離れて見るだけで十分かも

 

ナギヒコさんから寄稿していただいた記事です

到達:2024年6月、2025年6月
探検度ゼロ

灯台に到達する道にそれほどのおもしろ味がなく、離れて見る方がかえっていいのでは、という灯台も少なからずあると思う。鮫角灯台(さめかどとうだい、青森県八戸市)もその一つだ。

 

落ち着いてゆっくり見られるのは、葦毛崎(あしげざき)展望台からだ。旧日本軍が軍事施設として使用していた場所で、海岸の風景がきれいだ。

そして陸側に目を転じれば、鮫角灯台がよく見える。

残念ながら少し遠いのだが、手前に見える青森県道1号付近まで近づくと、手前の斜面に隠されて見えづらくなってしまうので、この場所が最適だ。

もっと近づくなら、八戸線の列車から見るしかない。

(国土地理院)

葦毛崎展望台からの写真で、県道と灯台の間に実はJR八戸線(鮫-陸奥白浜間)が通っている。電化されていない(架線がない)ので、気づきにくいのだが。

1年後、列車が灯台にもっとも近づいたときに、車内から撮影してみた。

緩やかな緑の高台に立つ、なかなかいい感じの姿だ。ただ、列車が速いので写真を2~3枚撮るのが精一杯。肉眼でゆっくり眺めることはできない。

 

遠景はこれぐらいにして、(味わいは少ないが)近くまで行ってみよう。灯台へは、展望台とは反対方向から向かう。「鮫角灯台来場者用駐車場」という広々とした駐車場がある(前掲地図参照)。

灯台に向かって歩き出すと、「灯台に行く人は手前の駐車場にとめて」という案内板がある。

突き当たって斜め左に曲がると、確かにクルマが通れるような道だ。右は牧場で、競馬場のような周回コースがある。

5分ぐらい歩けば2階建てのアパートのような建物が見えてきて、その左に鮫角灯台があった。

 

鮫角灯台に到着。入口のアーチ、2カ所の灯塔の窓など、ひと味違うデザインが目をひく。

右側に回り込むと、窓が階段にあわせてらせん状に開けられていることがわかる。

付属舎が2階建て、しかも入口のアーチにあわせたのか角が丸くなっているのはなかなか珍しい。初点灯は1938年(昭和13年)2月。昭和モダンと言うべきか。

敷地は結構広く、灯台は敷地の中央あたりに立っている。そのほかに退息所(官舎)があったのだろうが、現在は敷地全部がコンクリート敷になっていて、味気ない。

さらに、敷地内には二階建ての建物がある。退息所とは考えられず、アパートのようにしか見えない。現在人が住んでいるようには見えないのだが、灯台とは無関係の一般の人が入居していたのだろうか。

敷地には塀がめぐらされていて、灯台の場所からは塀の上に水平線が見えるだけだ。塀の近くまで行けば、その手前の海岸なども少し見える。この写真には八戸線のレールも写っているが、わかりにくいかも。この時刻にちょうど通過する列車があればよかったんだが。

このように、灯台の近くに行っても、あまり見栄えのするところがない。前に「(味わいは少ないが)近くまで行ってみよう」とカッコ書きを書いたのも、おわかりいただけるだろう。

列車か展望台から見るだけでも十分かな、と思った。

 

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事