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ピアニシモⅢは、はとバスのバスツアーで乗車できる3列シート・トイレ付きの車両だ。この車両で行くバスツアーは、団体様で行くバスツアーのイメージをよい意味で覆し、バスによる一人旅のハードルを大幅に下げてくれた。
残念ながら2021年2月現在、首都圏の緊急事態宣言を受けてはとバスの全ツアーは2021年3月7にまで中止である(2021年2月25日現在)。
安全に楽しく旅ができる日が再び来ることを願って、ちょうど2年前、2019年2月25日に参加したツアーの一部始終をお届けする。
訪問地を確認
ツアーのタイトルは「海鮮舟盛り御膳と河津桜まつり」。東京のはとバス浜松町総合センターを出発して、東伊豆の稲取温泉に立ち寄り、河津町の河津桜並木を楽しむ日帰りのツアーである。
おおよそのスケジュールは以下の通り
詳細なタイムスケジュールは失念してしまったが、だいたい朝8時頃に出発し、交通事情にもよるが19時~20時頃に東京駅に帰着する感じだ。
①はとバス浜松町総合センター 出発
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②小田原 鈴廣かまぼこの里
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③稲取東海ホテル湯苑
昼食と入浴 自由時間
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稲取文化公園 雛の館
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④河津桜並木 菜の花ロード
小田原鈴廣かまぼこの里
あくまでも個人的な話だが、自分一人で旅の計画をする場合、食とかおみやげとかのプライオリティはぐっと下がる。行きたい場所・撮りたい対象物をいかに効率よく回れるようにスケジュールを組むので、それこそ誰もいないホームのベンチでコンビニおにぎりを食べるなんてことも少なくない。
バスツアーは、まったく違う。ツアー客がゆっくり品定めができるお土産店を行程に組み込むのは必須だし、当然のことながら食事内容がツアー人気を左右する。
というわけで、浜松町をでて1時間半、最初の立ち寄り場所が小田原の蒲鉾で有名な鈴廣(すずひろ)本店だ。
時刻は9時半、こんな時間からお土産を買うのか?と最初は思ったが、お店に入っちゃえばそれなりにテンションがあがる。
白梅・紅梅が早春を感じさせる。桜もいいけど、密やかに咲き始める梅の花がとても好きだ。
早咲きの桜の花もほころび始めていた。まだ1~2分咲きだが、春の訪れを感じるには十分だ。
ちなみにこの桜、河津桜にしては少し色が薄い(気がした)。調べてみると「大漁桜」という品種で、河津桜の系統のようだ。
稲取温泉で舟盛りの一人御膳
お昼前にバスは無事に稲取温泉街に到着。海沿いの駐車場にバスをとめ、ぞろぞろと目的のホテルに向かう。まずはホテルで昼食をとり、その後、ホテルのお風呂に入浴するもよし、近くに散策に行くもよしといったところ。
こういったバスツアーでは何か所も観光スポットを巡ることも多く、かなり慌ただしい印象がある。そんな中でもピアニシモⅢのツアーは立ち寄り個所を少なめにして比較的ゆったりすごせるものが多い。
とはいっても、稲取温泉街で過ごす時間は2時間程度なので、そうそうのんびりもしていられない。
まずは昼食をおいしくいただき、(私の場合は)早めに食事処を出て名物のつるし飾りのある展示場に向かうことにする。
入口から圧倒される雛の館
ホテルから歩いて数分の稲取文化公園に向かう。河津桜が咲き、木造りの足湯施設などもある公園内に雛の館がある。(雛の館は閉館されている場合もあります。現地訪問の際は情報をご確認ください)
雛の館、入口から中に入る。
もう、びっくり。(@_@)
入口を入ってすぐだもん。いったい何段飾り?というか、こんな圧倒的な迫力のお雛様は見たことがない。
初めて間近に見るつるし飾りはとてもかわいい。和裁細工でできた下げものは心を和ませる。
全国に吊るし飾りの風習はあるようだが、稲取ではこの和裁細工の下げものが伝統となっているようだ。高価な雛飾りを飾れない家庭でも、身近な和布で飾りを作って吊るしたことがはじまりともいわれている。
他にも大正時代の趣を凝らした雛飾りなどもあり、目の保養になる。
雛の館を出て、公園内を軽く一回りする。出発時は雨混じりだった天気も、予報に反して天気も回復し青空がのぞいてきた。
バスの出発時間まではまだ余裕があるので、いったんホテルに戻る。やっぱり温泉に入らないとね。
残念ながら温泉の写真は撮れない。お風呂上がりのロビーで一枚。窓の外には船の舳先を模したオブジェがある。タイタニックごっこができそうだ。
しばし休憩したら、出発の時間。ホテルを後にして河津町に向かう。
河津桜並木で一足早い春を満喫
稲取温泉を後にして、100分ほどでバスは河津町に到着した。河津川沿いに散策路が続く「菜の花ロード」は、大賑わい。この日は平日だったが、行きかう人と体がぶつかり合うほどだった。
人ごみをいったん避けて、土手のほうに降りてみた。ずいぶん遠くまで両岸に河津桜並木が続いている。
途中に、ジュースバーがある。もちろん柑橘だ。ざく切りにした柑橘を目の前で絞ってくれる。
混みあっていた菜の花ロードも、1kmほど北に歩くと歩く人もまばらになってくる。時刻は15時20分頃。だいぶ陽ざしが黄色みを帯びてきた。
そろそろ戻らないと、バスの発車時刻に間に合わない。
名残り惜しいが、元来た道を引き返すことにした。
自然を愛でるツアーでは天候も大きな影響を与える。今回は外を歩き回るお昼以降、天気に恵まれてとてもいい旅となった。
後ろ髪をひかれつつ、バス車内に乗り込む。ピアニシモⅢは、一途東京駅へ向かうのだった。
☆こちらの記事は2019年2月に現地を訪問した内容をまとめたものです。