到達:2023年5月
難易度:■■■□(中級)
最初からつまずいた!「当分の間通行止め」。
出雲日御碕灯台(いずもひのみさきとうだい、島根県出雲市)から十六島鼻灯台(うっぷるいはなとうだい、島根県出雲市)へ向かう、ちょうど行程の半分ぐらいのところで、これに出くわした。
帰宅してから調べたところ、島根県道23号(斐川一畑大社線)は土砂崩れのために猪目-河下間で全面通行止めだという。
「孤立集落の有無:無」という情報が不穏だ。おそらく猪目集落と河下集落を行き来する必要性は低く、猪目集落からは出雲大社方向へ、河下集落からは平田方向へ行くのが一般的だろう。
つまりこの区間の道の需要はあまりないのでは、ということだ。規制開始が2021年7月7日だから、もう2年近く経っている。もしかしたら復旧工事は行われていなくて、この区間は永久に通行止めということなのかもしれない。
この島根県道23号は塩津-相代間に自動車が通行不能な「階段県道」部分があるなど、なかなかおもしろい道路だが、それは別途調べてほしい。
というわけで、山道を抜けて出雲大社まで戻り、大きく迂回するしかない。40分ぐらいの時間をロスして、ようやく十六島鼻灯台への道の入口に着いた。
道端や駐車場に5台ぐらい止まっているし、どうも釣りのポイントのようだ。
道はかなり整備されていて、歩きやすい。こんな感じでずっと続いてくれるとうれしいのだが。
つかまるためのロープも張られているが、なくてもだいじょうぶなぐらいだ。これは後ろを振り返ったところ。
5分ちょっと経ったころに分かれ道がある。
先人の情報によれば「分かれ道は2カ所。灯台は上で、下に向かうと海岸に出てしまう」。これは明らかに右だな。2カ所目はわかりにくいそうなので、ここからは注意して歩く。
長いロープとともに、道もずっと下りだ。ちょっとイヤな感じ。
下に海岸の岩場が見えてきたし、道はさらに下っていて、このままでは海岸に出てしまう。
2つ目の分かれ道、気をつけていたはずだが、ここまで下りるのはやっぱりおかしい。進むか戻るか少し迷ったが、「灯台は上」を思い出して引き返すことにする。
引き返すときは上り道、長いロープの場所も過ぎるが、分かれ道がまったく見当たらず、引き返して正しかったのか、どんどん不安になる。
そうしたら向こうから男性が来た。灯台へ行ってきたという(灯台に行く人なんているんだ?)。やっぱり分かれ道はもっと戻ったところだった。
だいぶ引き返したと思ったとき、目印の赤いリボンをようやく発見した(写真中央)。
ここを入っていくのだった。
分かれ道(というより脇道だな)を通り過ぎて振り返るとこう見える。入口から来た場合は、ここまで来ても赤いリボンがほとんど見えないのだ(写真中央付近にかすかに見えている)。分かれ道ぐらいわかるだろうと、ちょっとナメていたよ。
一つ目の分かれ道から順調に来れば5分ぐらいか。とにかく細心の注意が必要だ。
では秘密のトビラを開けて入っていこう。ここからは急に道がかなり心細くなる。わりと整備されて歩きやすい道だと思っていたのは、釣り人のためだったのだ。そうだよね、灯台に行く人のためじゃないよね。
道と斜面とではっきりした区別がないところも多い。ここではロープをありがたく使わせてもらう。
森の中も外も、踏み跡はほぼわかるので、道に迷うことはない。夏に草が伸びたときや、冬に雪が積もったときにどうだかはわからないが。
ロープがあるとありがたいところだが、ここにはない。こういう箇所を全然平気な人もいるだろうけど、安全第一、慎重な足取りになってしまう。
北側の海が見えてきた。もう少しかな。道は写真の左方向へ続いている。
開けた場所に出た。正面(西方向)にも海が見えるということは、ほぼ突端まで来たわけだ。
一歩踏み出せば、右に突然現れた! 変わった名前の十六島鼻(うっぷるいはな)灯台だ。順調に来れば入口から20分ぐらいかな。
敷地はそれほど広くないので、なんとか画角に収められるぐらい。
穏やかな海だ。左に見える山は、出雲日御碕灯台があるあたりだろう。
ここまでの道を振り返ると、歩くのに慎重さが必要なところがあるから、気安く来られるところではない。一方、上りも下りも続くことは少なく、入口との高低差はあまり大きくない感じがするので、その点では「ずっと上りばっかり」という灯台よりは少し楽だ。
さて、そろそろ戻ろうか。
さっき見逃した分岐まで来れば、あとの歩きは気が楽だ。
駐車したところまで戻った。
ここはきれいに整備された「十六島風車公園」というらしく、展望台もある。風車というのは風力発電機のことであった。