「魚道」(ぎょどう)という言葉を聞いたことがあるだろうか。
堰(せき)やダムなどで堰き止められた川を、魚たちが行き来きできるようにした専用の道を「魚道」という。
アユやヤマメなど主に産卵のために川をさかのぼる魚は、川の中に人が造った段差のある人工物があると、そこより上流に行くことができない。そんな困っている魚たちのために、 緩やかな傾斜の小さな水路を作り、そこを通って魚が上流に行けるようにする仕組みが魚道だ。
魚道は日本全国にあるが、その中でも最大規模と言えるものが東京の奥多摩にある。内部見学もできる白丸調整池ダム(後で紹介する動画では白丸ダムと表記)の魚道は、実用性とエンターテインメント性を兼ね備えた施設なのだ。
なにしろ、魚道を見学するための入口がすごい。このらせん階段を下りて地下にある魚道施設に向かうのである。
らせん階段を下りて、下から見上げる光景はなんとも壮観だ。帰りは別ルートを通るのでこのらせん階段は下り専用だ。
白丸調整池ダムは、高さが30.3mある重力式コンクリートダムだ。
ダムの下流側に魚道の入口があり、山岳列車がスイッチバックするように約200mの魚道が続く。
さらに魚道はトンネル部に入り、魚たちは全長約330m、高低差約27mの魚道を通り抜け上流部にたどりつくのだ。
白丸魚道の全容は、以下の動画で詳しく説明をしている。水の流れる様子や水音など、ぜひこの施設の「すごさ」を感じていただきたい。
ちなみに、普通の魚道ってどんな感じ?と思われる方は、あわせてこちらの動画もご覧ください。