渥美清と八つ墓村と備中神代駅

 

 

 

 

渥美清といえば、誰もが思い浮かべるフーテンの寅さん、車寅次郎の演者である。男はつらいよシリーズで多くの作品がある国民的映画にも関わらず、私はただの1本も通しで作品を観たことがない。

おいちゃんやさくらがいて、旬の女優さんのマドンナと恋バナを咲かせるという定番パターンの中で、全国各地の風情ある景色を差し込みながら、寅さんの心染み入る名言が人気なのもわかっている。が、どうも人情いっぱいの家族愛が苦手なのか、断片的にしか観たことがないのだ。

天邪鬼なのは承知の上で言わせていただくと、私にとっての名優「渥美清」は、映画「八つ墓村」(やつはかむら)に登場する淡々とした名探偵の金田一だ。

横溝正史原作の「八つ墓村」は人気が高く、TVドラマや映画など、時代を超えて何度もリメイクされている。そんな中でも渥美清が金田一に扮し1977年(昭和52年)に公開された映画「八つ墓村」は、謎解きサスペンスというよりもホラーに近く、心理的な怖さでは他の追随を許さない(と勝手に思っている)。

と、長々前振りを書いたが、ここで八つ墓村の映画レビューをするつもりはなく、話をしたいのは映画の中で登場する駅についてだ。

 

 

物語が始まるのは、映画公開と時間軸は同じ設定。横溝正史の作品を映像化したものは、原作と同じ戦後まもない時期の設定が大半なので、その意味でも渥美清版八つ墓村は異色である。

舞台となるのは岡山県の山奥で、多治見家という山林資産数十億という素封家に、その血筋を引くとされる若者が列車に乗って訪ねていく。

多治見家がある架空の八つ墓村は別の場所でロケされたようだが、主人公を演じる寺田辰弥(演:萩原健一)が、八つ墓村に向かうべく列車から降り立つのは備中神代(びっちゅうこうじろ)駅である。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次