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2020年梅雨の真っただ中、只見線の不通区間の駅を実際に訪ねてきた。
長く止まっていた時がゆるやかに動き出そうとしている、只見線の「今」をお伝えする。
不通区間の駅は全部で6つある。ここで紹介するのは「会津大塩駅」だ。
駅名 | 所在地 | 運行状況 |
---|---|---|
会津川口駅 | 福島県大沼郡金山町 | |
本名(ほんな)駅 | 福島県大沼郡金山町 | 不通 |
会津越川(こすがわ)駅 | 福島県大沼郡金山町 | 不通 |
会津横田駅 | 福島県大沼郡金山町 | 不通 |
会津大塩駅 | 福島県大沼郡金山町 | 不通 |
会津塩沢駅 | 福島県南会津郡只見町 | 不通 |
会津蒲生(がもう)駅 | 福島県南会津郡只見町 | 不通 |
只見駅 | 福島県南会津郡只見町 |
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会津大塩駅
会津大塩駅も、のどかな田園風景の中に溶け込むように建っている。
西端の階段でホームに上がってみる。駅を構成する基本要素は、直前に立ち寄った会津蒲生駅・会津塩沢駅と同じである。
線路の周囲には雑草が勢いよく茂っており、朽ち果てそうな枕木は雑草にエネルギーを吸取られていしまいそうだ。
枕木の一部が、コンクリート製に替えられている。
コスト削減というのが一番の理由だろうが只見線の全線再開通にあたり、すべてリニューアルではなく既存の設備をできるだけ再利用という姿勢が垣間見える。
下の写真は、会津大塩駅の駅名標。Googleマップのストリートビューで2014年の同じものが確認できるが、錆が相当進み、枠の塗装もはげてぼろぼろだ。
そして次の写真が、隣の会津塩沢駅。駅名標本体は新しく作り直しているが、外側の枠と手すりなどは再利用されている。
不通区間の駅に只見線の列車が通るようになった時、それぞれの駅がどんな様子になっているのか、楽しみでもある。
代行バスでのアクセス
会津大塩駅の最寄りのバス停は、「大塩体育館」だ。代行バスは、国道252号線からいったん離れて大塩体育館前の広い敷地に回り込んでくれる。代行バスの運転手さんが、「ここが(バス停として)一番目立ってわかりやすい」と話されていた。
(※この情報は2020年6月のものです。現地訪問の際は、最新の情報をご確認ください)
大塩体育館からすぐ、目と鼻の先に会津大塩駅がある。
第7只見川橋梁
2011年(平成23年)の新潟・福島豪雨では第5・第6・第7の3つの只見川橋梁が流出した。そのうちの1つ、第7只見川橋梁は、会津大塩駅と会津横田駅のだいたい中間あたりにある。
今回は、会津大塩駅から歩いて第7只見川橋梁まで行ってきた。
実際には、会津大塩駅から最短距離を行ったのではなく、駅の北東にある大塩天然炭酸場に立ち寄って、そこから南下した。周囲には田園風景が広がっているので、けっこう遠くからでも工事中の作業用支柱などがよく見える。
2つの鉄塔を作業用の支柱と書いたが、予定されている橋梁の図面からそうではないかと推測しているので、もしかすると違うかもしれない。
しかし、土木萌えだからそう感じるだけなのかもしれないが、青い鉄塔、ケーブルにつながっているオレンジ色の運搬器、真っ赤な作業車、どれも美しくて里山風景に映える。
第7只見川橋梁の被害状況と復旧工事の概要は、JR東日本から発表されている以下の資料が参考になる。
以前は、上路トラスといって鉄骨の骨組みの上を列車が通るスタイルだったが、将来的な豪雨による水位上昇による影響を最大限避けることを考えてか、鉄橋の骨組みの中を列車が通る下路トラスに変更されている。
上の地図③の場所から西に回り込んで、四季彩橋(上の地図②)から第7只見川橋梁の工事の様子をみることにする。四季彩橋と言う名前はいかにも観光用っぽいので通称なのかと思って調べたが、ちょっとわからなかった。
四季彩橋を渡る手前、左手側に鉄塔につながるケーブルの設置がよく見える場所がある。
そして、四季彩橋を渡る。2本の鉄塔の間には、幅の広いベルトのようなものが渡してあり、鉄塔につながるケーブルから建材が吊り下げられていた。着々と復旧工事が進んでいる様子に、顔がほころぶ。ぜひ、写真を拡大してご覧いただければと思う。
下の写真右奥には、既存の只見線の橋梁が見える。
四季彩橋を渡り、上の地図④の場所まできた。会津大塩駅のある方向から見ていたのとは逆の景色となる。
下の写真左下にあるのは、既存の桁を外したものじゃないかと思う。いったん外した後に、また再利用するのだろう。
今回は時間の都合で、第7只見川橋梁しか訪問できなかったが、さらに会津川口よりにある本名(ほんな)駅近くに、第5只見川橋梁と第6只見川橋梁がある。完成する前に、ぜひ訪問したい。