まわりにだれもいない…独占できるノッカマップ埼灯台の静けさ

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ナギヒコの灯台到達記:ノッカマップ埼灯台

ノッカマップ埼灯台(のっかまっぷさきとうだい、北海道根室市)
到達:2022年9月
難易度:■□□□(入門)

「まわりにだれもいないことが、こんなに気持ちいいのか!」

ノッカマップ埼灯台(のっかまっぷさきとうだい、北海道根室市)でそれに気づいたことが「灯台クエスト」のすべての出発点となったのだ。

 

午前中に行った落石岬灯台(おちいしみさきとうだい、北海道根室市)は、「灯台を見にいく」という行為の楽しさに気づく大きなきっかけだった。

確かに灯台の近くにいたときはだれもいなかったが、行き帰りの歩きで2~3組の人にすれ違った。また湿地を通るための木道や案内板、トイレなどもある。ある程度“観光地”として認識されているということだ。

ノッカマップ埼灯台のある根室半島には、納沙布岬灯台(のさっぷみさきとうだい、北海道根室市)が「最東端の灯台」として広く知られている。ふつう「灯台を見にいく」と言えばこういうところをイメージするだろう。

納沙布岬は観光客でにぎわっているし、灯台の目の前にも駐車場があるので、灯台を見に来る人も多い。ただ、みな敷地内を2、3分歩き回ったあと、写真を撮ったらそそくさと立ち去り、売店に向かう。これは偶然人が入っていないところを撮れたもの。

ノッカマップ埼灯台はまったく違う。存在を知っている人はほとんどいないし、訪れる人はひと月に何人いるだろうか。

その魅力に気づいたとき、「灯台クエスト」が始まったのだ。

(国土地理院)

ノッカマップ埼灯台の存在を示すものは、道道35号(根室半島を一周する道路)にある案内板だけだ。道道と灯台の間に小さい森があるので、灯台の姿はほとんど見えない(別の位置からは少し見える)。

灯台へ向かう道は、2本の轍(わだち)があるだけ(写真は帰りに逆方向から撮ったもの)。轍の間にはえている草がクルマの床にこすれる音がかなりする。

轍があるぐらいだから、ときたまクルマが通るのだろう。しかし最低地上高の限界を超えるところがあるかもしれない。また対向車が来るかもしれない。しかし転回したりすれ違ったりできる場所はない。

ひやひやしながら500mほど走ると、ようやく灯台が現れた。

クルマは灯台のまん前まで行ける。ノッカマップ埼灯台に到着。灯塔とあわせ、バルコニーも八角形だ。初点灯は1963年(昭和38年)11月。

 

周囲は草原(くさはら)しかない。静かな時間が流れていく。

「見える人工物は灯台だけ」と言いたいところだが、風力発電の風車が1本ある。ここがおしい。

灯台を独占しているという気分になる。気持ちいい! しかもそのことを知る人はだれもいない。現実感がうすれていく。

大地と海だけ。だがよく見ると轍の跡がある。猛者がこの先までクルマで行ったのか。

周囲を少し歩き“灯台だけの世界”を堪能したが、時間にすればわずか10分ほど。そろそろ現実世界に戻ることにしよう。

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灯台クエストは、次のような灯台を求める旅だ。
・小ぶりだが形がきれい
・それほど知られていないのでめったに人がいない
・あまり簡単には行けないので、出会った瞬間の喜びが大きい
到達することが目標だが、大事なのはそこに至る道中。その楽しさと苦しさをお届けする。

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